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「セクシーな身体を抱き寄せ…」ベッドの中で激しく愛し合う2人

 昭和42年6月17日、工藤栄一(くどうえいいち)監督『日本暗黒史血の抗争』が公開される。安藤昇と瑳峨三智子が共演した映画である。

『日本暗黒史血の抗争』は、安藤が瑳峨の出演を製作者側に要請した結果、久々に瑳峨がスクリーンにカムバックできたのである。安藤は、斜陽になりつつあった瑳峨三智子になんとか復帰してもらいたかった。

『日本暗黒史血の抗争』撮影中の昭和42年5月24日は、安藤41歳の誕生日だった。その夜、瑳峨は、京都の安藤の独り暮らしのマンションに、バラの花とジョニ黒と、肉や野菜を買い込んでやってきた。

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 マンションの狭い台所に立って、瑳峨は自分で料理を始めた。安藤は、瑳峨がトントンと野菜を刻んでいるその後ろ姿を見てあらためて思った。

〈やはり、とかく噂がある女優とは程遠いなあ……〉

 瑳峨は、安藤がタバコを吸いたいなと思うと、以心伝心でスッとタバコをもってきて火を点けた。安藤は、瑳峨の女性らしい細やかな情感にあらためて惹かれた。その夜も2人は、激しく愛し合った。安藤は、少女かと思うような細い、セクシーな瑳峨の華奢(きゃしゃ)な身体を抱きしめた。すると、そのまま骨が折れてしまうのではないかと不安になるほどだった。一見クールな瑳峨だが、ベッドの中ではとにかく激しかった。

写真はイメージ ©アフロ

 昭和42年6月17日公開の『日本暗黒史血の抗争』の撮影が終わったころ、瑳峨は、それまで住んでいた渋谷松濤から東京都武蔵野市の吉祥寺に住まいを移していた。

 そのころ、瑳峨の身体は、ますます病魔に犯されていた。それもあり、仕事に穴を空けることが増えた。