15時間の透析じゃ完全にカバーはできていない
ーー透析費用の話なども聞きましたが、行政に考慮してほしいことはありますか。
義太夫 夜間透析。関西って、すごく普及してるんですって。夜寝てる間にやるから、昼間は普通に仕事ができるんですよね。でも、関東ではまだまだ数が少ないらしくて。僕が通ってるクリニックもそうなんですけど、ビルに入ってるから、ビルが閉まる時間にクリニックも閉めなきゃいけないわけですよね。そういう問題もあるんでね。
あと、講演会に行くたびに話に出るのが、個人透析。機械をレンタルしてくれて、自分の自宅で透析をするっていう。ただ、一人暮らしはダメなんですね。一緒に住んでいる人に刺してもらって透析しないといけないんです。
やっぱり、5時間を週3日って大変だけど、考えようによっては15時間しか透析をしていないわけですよね。本当の腎臓だったら常に動いてるわけだから、15時間の透析じゃ完全にカバーはできていないんです。なので、自宅で毎日できるようになれば、透析患者にはありがたいんですけどね。
誰が先に死ぬかでトトカルチョが始まるという(笑)
ーー透析について「やらないと死んじゃう」とおっしゃっていましたが、自分の寿命などを考えたりすることは。
義太夫 昔だったら、「透析です」と言われたら、余命があと10年から15年ぐらいと言われていて。でも、透析技術がいろいろ進歩してるので、そんなことはなくなっていて。実際、僕は17年間やっていますし。
あと、透析するたびに血液検査もやるから、健康状態がわかるわけですよ。で、そのたびに「こういうものを食べないで」とか「あんまり透析と透析の間に体重を増やしてこないでください」とか言われるので、気をつけてるんでね。あんまり、今日明日になにかなることはないだろうというのはありますけどね。
ただ、昔よくありましたよ。殿が軍団といるでしょ。そうすると、殿が「これだけいると、絶対俺より先に死ぬヤツが出てくるよな」って言いながら、真っ先に僕を見るんですよ。そこから、誰が先に死ぬかでトトカルチョが始まるという(笑)。
でも、透析になったときに「こうなると、ちゃんと管理されてるお前が結構長生きしそうだよな」とも言われましたけどね。