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読書を習慣化させる“寸止め読書”とは

「時間がきたらきっぱりやめる」という方法について、もう少しだけ補足しておきましょう。

 便宜的に「寸止め読書」と呼んでおきますが(これもまたセンスのないネーミングですね)、これは読書を習慣化するにあたって重要なポイントになります。

 それは、あらかじめ決めておいた時間で一度きっぱりとやめることによって、盛り上がりつつあった読書熱を意図的に冷ますということ。

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 冷めてしまっては意味がないと思われそうですが、熱中して読んでいたのであればなおさら、それは理不尽な終わり方だということになります。読み続けたいのだったら読めばいいのですから、当然の話ですよね。

写真はイメージ ©︎years/イメージマート

 もちろん読み続けるのもひとつの方法ではありますが、いまここでお伝えしようとしているのは、読書を習慣化することです。日常の、たとえば一年のうち一日だけの読書ではなく、毎日続ける行為。すなわち読書を“点”ではなく“線”として捉えるようになることを目的としているわけです。だから、もっと読み続けたいという思いをあえて抑え、それを次につなげるのです。

 また寸止め読書は、「読めない」というモヤモヤを解消してもくれます。日常生活の隙間を利用することによって5分でも10分でも読むことができれば、それは「読める」ということになるのですから。読書時間の長短の問題ではなく、もっと大切な「読んだ」という事実が少しずつ、けれども確実に積み上がっていくのです。それはとても大切なことで、気がつけば読書は日常生活を形成するエレメントのひとつとして確実に定着するはずです。

写真はイメージ ©︎GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート