「両乳房揉み」「下半身を触る」師僧が尼僧に断続的にした卑劣行為
被告人から得度(出家)を勧められる形でAさんは、2022(令和4)年6月2日に出家。Bの寺で修行を始めた。Bは「師匠仕えの在り方」として、Aさんに絶対服従を要求。自分の考えを持つことは許されず、Aさんを精神的に支配していった。
「謗法人(正しい教えを妨げる者)は家族も含めてみんな地獄へ落ちることになる」
「弟子は師匠の言うことに、全て“はい”と従い、返事は“YES”のみ。“No”はない」
「周りがみんな黒だと言っても、どう見ても黒だったとしても、私が白だと言ったら白だと言う。それが弟子であり、師に仕えるということだ」
「理解しようとするな。頭で考えるな。我を捨てろ」
「自分の考えを捨てて、素直正直に、言われた通りにやりなさい。仰せのままにという姿勢が大事」
などと、Aさんに洗脳を続けたという。
Aさんは、閉ざされた空間の中でBから絶対服従を強いられる日々を送っていた。Bには妻がいたが、その妻も服従を命じられていたという。
Bは寺を訪れるAさんに「なぜ、お前はスカートを履いてこないんだ」などと言われたり、身体の接触などのセクハラを受けたりしていた。そんな中、2023(令和5)年7月7日、先に述べた最初の被害が発生。その後11月頃までBによる断続的に性加害が続いた。
Aさんは得度の際にお世話になった住職に相談したのをきっかけに、両親や本門佛立宗務本庁にも相談。地元の東金警察署にも被害相談した。Aさんは還俗願(僧侶を辞める届出)を本庁に提出したが、現在も保留にされているという。
こういう状況の中でも、BはAさんの自宅を訪問するなど、執拗に接触を試みた。Aさんはパニック状態に陥り、一時気を失うほどの精神的苦痛を味わったという。
その後もBからの連絡は続き、AさんはLINEで被告人に対し「これまでの行為は正しかったのか」と問いかけた。しかしBは「もういいです。どんなことがあっても従うという気持ちがなかったようですね。もういいです」などとそっけなく返答するのみで、責任を直視する姿勢を見せなかった。