全世界に860万人以上、国内で20万人以上の信者を擁するキリスト教系新宗教「ものみの塔聖書冊子協会」、通称「エホバの証人」。

 そんな「エホバの証人」の元2世信者らから成る「JW(Jehovah's Witnesses=「エホバの証人」)児童虐待被害アーカイブ」が信者と元信者に行ったアンケート調査を公表したのは、今年11月28日のことだった。

 団体によればアンケート調査は7月以降にSNSを通じて実施。「信者からの性暴力」、「自身の性経験を告白するよう強要された」、「集会や出版物で性的な表現を見聞きさせられた」の3分野で被害申告をまとめた。うち被害を訴える男女11人とは公認心理師が面接調査も行った。

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218件の性的虐待の被害が判明

 公表されたアンケートによれば、159人が218件の性的虐待の被害を受けていたことが明らかになった。団体は公表日に、教団への早急な対応を求める要望書をこども家庭庁などに提出した。

 これを受けて岸田文雄首相も反応した。11月22日の衆院予算委員会で「宗教の信仰といった背景があったとしても、決して許されるものではない」と述べ、統一教会同様、宗教を笠に着た悪質な行為であると指弾した。

エホバの証人公式サイト

 実は、「週刊文春」編集部には、かねてからエホバの証人の2世信者から教団の内実に関する情報提供が寄せられていた。

 今回、改めて「週刊文春」は複数の元信者や関係者らに話を聞いた。複数の証言から浮かび上がってきたのは、これまで隠されてきたエホバの証人の実態だった。

 彼らが訴える“被害”の中でも、特に目立つのが、教団関係者からの性的加害だ。

 かつてエホバの信者だった中島みきさん(30代)は、3歳の時に母が入信。自身も4歳頃に野外奉仕と呼ばれる伝道活動に毎日のように連れて行かれ、9歳くらいからは「伝道者」という教団内の立場になったという。

 そんな中島さんが性被害に遭ったのは9歳の時だった。