瀬々敬久監督

「90年代を生きた者にとってはショックな事件。殺人者が14歳の少年と知ったときは自分も驚きました」

 瀬々(ぜぜ)監督は、「隣りで静かに微笑む友が、かつて日本中を震撼させた“あの事件”の少年Aだったら」をテーマに、映画『友罪(ゆうざい)』を撮った。少年Aといえば、どうしてもあの97年に起きた酒鬼薔薇聖斗事件を思い出させる。

「酒鬼薔薇が書いた手記『絶歌』も読みました。けれど、ここからは離れようと思った」

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 劇中で少年Aを演じるのは瑛太さん、その友人となる益田を生田斗真さんが演じる。

「瑛太さんは、チャレンジ精神が旺盛な人。“普通の人には分からない不可解な部分を残したい”と難役に挑みました。生田さん演じる益田と出会い、深い人間関係を作ることで、元少年犯が変わっていく過程を大切にしました」

 酒鬼薔薇の手記には、職場で仲良くなった後輩にカメラを向けられ、怒り狂いカメラを破壊する描写が。しかし、劇中の少年Aは違う。

「劇中の少年Aには罪の意識がある。友人から向けられたレンズを、アニメソングを歌いながら純粋な気持ちで眺めます。“生きる喜びを知ることは罪を償うことである”という気持ちを込めて撮りました」

INFORMATION

映画『友罪』
5月25日より公開
http://gaga.ne.jp/yuzai/