そんなふうにアクティブに世界中を飛び回る山口を、夫の唐沢は《“好きなことを追求すればいいよ”といつも気持ちよく送り出してくれます。例えるなら野生動物をのびのびと放し飼いにしてくれる感じ》といい、彼女は心から感謝している(「VOGUE JAPAN」ウェブ版、2019年6月25日配信)。
唐沢寿明との「緊張感にも満ちた」結婚生活
もっとも、唐沢は夫婦で旅行しても、ホテルにこもったままテレビを見ていて観光はしないという。そのほかにも彼とは結婚するまでこれほど趣味嗜好が違うとは思わず、山口は歯がゆい思いをしたことも多々あったらしい。だが、それも20年が過ぎたころには《今は、互いに違うから面白いと思えるようになりました》と語るまでにいたった(『AERA』2016年5月23日号)。
旅行でも唯一スペインだけは、夫婦でバル(スペイン式の飲食店)を巡ったり、庶民の踊るフラメンコを観て感動できるので、年に1度は出かけているようだ。コロナ禍のさなかには、唐沢が好きなクラシックカーを運転して、伊勢や日本海のほうまで旅をしたとか。
山口は唐沢との関係について《私にとって、パートナーとの繋がりは何よりも大切です。良い関係を育もうという意欲のない結婚では意味がない。そのための努力は惜しまない。そういう意味では、私たちの関係は安心感とともに、毎日幸せを更新するぞという緊張感にも満ちています》とも語っていた(同上)。要は夫婦関係も、仕事と同じく日々営々と築いていくものであり、それ以外にお互いに幸せになれる道はないということなのだろう。
俳優業をセーブしているわけではない
俳優の仕事では、2012年に16年ぶりの連続ドラマ出演となった『ゴーイング マイ ホーム』以来、作品数は限られるものの、冒頭にあげた配信ドラマのほか、昨年公開の映画『春に散る』でボクシングジムの会長を演じるなど活躍を続けている。本人としては俳優業をセーブしているわけではなく、《お声がかかれば喜んで参上する気満々ですが、「どうせ日本にいないだろう」と、皆さんに思われてるみたいで(笑)》ということらしい(『週刊文春』前掲号)。