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SNSが苦手だったが、YouTubeを始めてみると…

 昨年には、YouTubeに公式チャンネル「山口智子の風穴!?」を開設し、日本を再発見する旅の模様を伝えている。じつはそれまで、どちらかといえば放っておかれたい性格の彼女はSNSが苦手で、携帯電話のような機械的なものに時間を割かれるのもいやだった。それがいざYouTubeを始めると、《新しい出会いが続々と飛び込んできて、人生がさらに面白くなってきました》という(「NEWSポストセブン」2024年1月29日配信)。テレビで番組を立ち上げるのは大変だが、YouTubeなら思い立ったらすぐ形にできる点も素晴らしいと話す。

夫・唐沢寿明も登場した動画は449万回再生(YouTubeチャンネル「山口智子の風穴!?」より)

「面白い刺激を発信できるバアさんになりたい」

 かねてより《歳を重ねると若い頃よりも、もっともっと心を鍛える努力は必要。気を抜いてトキメキを忘れたら、楽しくないジジババになってしまう。若い世代に、面白い刺激を発信できるバアさんになりたいです》(前掲、『わたしたちが27歳だったころ』)と語っていた彼女にとって、YouTubeは格好のツールとなっているようだ。今年、還暦を前に応えたインタビューでも《若者がこぞって話を聞きたくなるような、超エンターテインメントのストーリーテリングを目指したい!》と宣言していた(前掲、「OurAge」)。

©文藝春秋

 もっとも、いまの平均寿命からすれば60歳はまだまだ「ばあさん」と名乗るには早い。山口自身も、早く結果を出すことばかりがすべてではないと、時間がかかるものにはちゃんと時間をかけることの大切さを常々説いてきた。とすれば、「面白いばあさん」になるのも、それなりに時間をかける必要があるはずだ。

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 8年前のインタビューで彼女は《俳優でいるためには人間として成長し続けなきゃいけない。年を重ねたぶんだけ、人間としてストンとそこに立っただけで人生の厚みを醸し出せる存在感を放てるようになりたい。『ザマーミロ、ここまで来てみろ』って言えるような、カッコいいオーラを発したい(笑)》と発言していた(『FRaU』前掲号)。その言葉どおり、旅先での感動や発見を糧にますます成長し、さらにそれを演じる役にフィードバックしていくのかと思うと、俳優・山口智子はさらに大化けしそうな予感を抱かせる。