ジュリー氏に会って「モンスターの印象はなく…」
社長就任のきっかけは、旧ジャニーズ事務所の前社長、藤島ジュリー景子氏からの誘いだった。
「NPOの知り合いからジュリーさんと会ってみてくださいと言われました。まあ、むちゃくちゃ驚きましたよね。一連の報道を目の当たりにしているので、どうして自分が呼ばれたのか色々考えましたよ。複雑な思いを抱えながら、ジュリーさんと会いました。会見の1週間後くらい、10月10日か11日です」
初対面のジュリー氏は、憔悴し切っていたという。
「ジャニーズ事務所の廃業を決めた後でしたからね。(一方で)きわめてすぐれた音楽プロデューサーの方だなという印象も受けた。一部で報道されているようなモンスターの印象はなく、ロジカルな話し方をされるなと思いましたね」
ジュリー氏はエージェント制について、いくつも質問をしてきたという。
「アメリカの仕組みや、具体的なビジネス上の問題について聞かれました。僕は7年前から『のん』こと能年玲奈のエージェントを務めています。それに2019年の公正取引委員会のSMAP問題(ジャニーズがテレビ局に対し、退所したメンバーを出演させないよう圧力をかけた場合は独占禁止法に触れる恐れがあるという注意処分)が起きた際に、メディアの取材を受けて、タレントの自由とは何かという話をしていた。ジュリーさんからはすごく細かい質問もありました」
最初のオファーは断った
当初、福田氏は社外取締役への就任を頼まれたという。新会社の社長は、当初補償問題を扱うSMILE-UP.社長の東山紀之が兼任することになっていた。だが、東山が補償問題に専念することになり、福田氏に白羽の矢が立った。
「最初に社長のオファーをいただいたときには一度、断りました。こんな重責はとても無理だと。これだけの世間の批判にさらされて、いろんな問題も起きているから難しいと思ったんですけど、(心変わりには)いくつかのきっかけがあったんです」
その一つは東山の存在だった。