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「タレントみんな辞めんじゃないの?」…木村拓哉との対面

 木村は後輩たちとLINEのグループを持っていると聞くが、そこから後輩に福田氏のことが伝わったのだろうか。

「そんなLINEまでご存知とは……。やっぱり文春、怖いですね(笑)。どう書かれているか一字一句、気になって、後から聞きました。本当にすごく良く書かれていて……。それはね、変な話ですけど、ちょっと涙が出ましたね」

 木村と会うときは福田氏も緊張したという。

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「やっぱり大スターですから。それに事務所が危機的状況にあって、マスコミから『タレントみんな辞めんじゃないの?』と言われるなかで、話すわけですからね。まだ自分の考えがきちんと定まっていませんでしたが、事務所の将来について木村さんに必死で話をして、おそらく理解していただけたと思います。だからこそ、そのLINEグループで、ちょっとこいつ、いけるんじゃない、と言っていただいたのかなと思います」

2022年、「ぎふ信長まつり」での木村拓哉 ©文藝春秋

 スタート社はタレントに対し、2種類の契約を提示している。新しく採用するエージェント契約は、事務所が仕事の斡旋や契約交渉を担う。従来のマネジメント契約は、それに加えてスケジュール管理から日常的な活動まで全面的にバックアップする。

 だが、どちらも選ばず、事務所を退所するタレントもいるという。

「移籍の自由を認めることがなにより重要です。『うちの事務所を出て行ったら仕事干すぞ』ということは、もちろんありません。それどころか『やっぱり戻りたい』というなら、出戻りのタレントのためにプラットフォームも用意したいと考えています。実は現時点でも、独立を決めたタレントに、『独立したらまずウェブサイトを作って、問い合わせフォームをこうやって作るんだよ』などとアドバイスしています」

 福田氏がトップになって、事務所の体質はどう変わるのか。

山下智久、平野紫耀…“辞めジャニ”との共演は

 福田氏はこれまで、バーター出演が日本のドラマの質を下げていると発言してきた。まさにジャニーズは自社の人気タレントが主演するドラマに、若手タレントをバーター出演させて認知度を上げてきた。

「主役のオファーを頂いたとき、こんな新人もいるので考えてもらえませんかと推薦することは、商慣行としておかしなことではないと思います。ただ新人を使わないと、主役を出さないぞ、となれば、ある種の脅迫ですよね。今後、そういう悪いバーターは行わないよう徹底します」

「新しい地図」の3人に象徴されるように、“辞めジャニ”はジャニーズのタレントとは共演NGとされてきた。彼らや山下智久、元キンプリの平野紫耀らとの共演は、今後あるのか。

Number_i(公式サイトより)

「全くOKです。共演NGといったって、それって『(芸能事務所がいくつもある)港区の話』でしょう。我々は韓国と戦ってグローバルに打って出なきゃいけないのに、そんな狭い港区レベルの話をしてどうするんですか。根本的な理念としては、誰とでも共演すべきだし、そもそも芸能事務所はNGを出す立場にはありません」