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CASE5
「睡眠時間は毎日しっかり7時間取っています。

でも、なぜか日中眠くなり、集中力が続きません」

毎日、ほぼ深夜1時までには寝て、朝8時前後に起き、11時頃から仕事を始める、というスケジュールです。
7時間、もしくはそれ以上睡眠を取っている日もあるのですが、午前中は頭がぼんやりとして集中力が続かず、午後2時すぎからようやく調子が乗ってくるという感じです。
朝から活発に働くための秘訣はありませんか?

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“何時間眠るか”よりも、“何時に寝るか”が重要

中医学で睡眠について語るときは、実は睡眠時間よりも、何時に眠ったか、という時刻が重要になってきます。図表1を見てください。

これは、時刻と、その時刻に活発に働く臓器の関係を表した、「子午流注(しごるちゅう)」と呼ばれるものです。

なかでも重要なのは23時から深夜3時。図を見ると、23時から深夜1時は六腑の「胆(たん)」が該当していますね。

「胆」という臓器は消化器官の一つで、消化の最終段階を行う場所です。つまり、ここで「胆」が活発に働くことで、体に栄養を補給し、日中疲労した体の修復を行うわけです。でも、この時間に体が起きて活動していると、エネルギーがそちらにも使われますから、「胆」は全力で働けません。修復したいのに栄養が足りない、という状況が起こるわけです。

だから23時に起きている=活動しているのはよくない。できればその前の時間帯、21時からすでにリラックスし、体が眠りに向けて準備している状態が望ましいです。

この時間に該当する「三焦(さんしょう)」という六腑は、体内の水分調節を行うリンパ管のような働きをする場所で、水を流して掃除をする、みたいなイメージです。そして、「胆」の次は、五臓の「肝(かん)」の時間帯。前の記事にも登場していますが、「肝」は「血(けつ)」を貯めておくタンク、でしたよね。この時間に、「血」がつくられ、「肝」に貯められるわけです。