1ページ目から読む
4/4ページ目

つまり、21時から23時の間で、余分な水を流して体内の浄化を済ませ、23時から深夜1時の間に消化・吸収の最終段階を終えて体に栄養が補給され、深夜1時から3時までに栄養を蓄えたきれいな「血」が「肝」に貯められる、というスケジュール。

21時から深夜3時までは、いわば体内のメンテナンス時間なのです。そのいずれかの時間帯でも起きているのであれば、臓器の働きは鈍くなりますから、体は修復されないまま朝を迎えてしまいます。相談者の方の眠る時刻を見ると、中医学の観点から言えば、睡眠が取れていない、という判断になります。

さらに言うと、23時に「胆」が消化の最終段階をするわけですから、逆算すると夕食は18時までに済ませておくことが理想です。

ADVERTISEMENT

できる日だけでも、理想の時間割を

とはいえ、これは理想の話。僕も22〜23時に寝るように努めていますが、難しい日もあります。また、夜勤など、お仕事の都合でどうしてもこの時間に眠ることはできない方がたくさんいらっしゃることも、日々実感しています。そういう場合は、休みの日だけでも「子午流注」の時間割に沿って睡眠をとることをおすすめします。

ちなみに子どもの場合は、より自然に近い存在なので、子午流注により厳格に則って21時までの就寝を目指すのがよいでしょう。ただし、しっかり昼寝をしている場合は、多少遅くなるのはしょうがないことです。22時頃までの就寝を目指しましょう。

櫻井 大典(さくらい・だいすけ)
漢方家
国際中医専門員、日本中医薬研究会会員。漢方薬局の三代目として生まれ育つ。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後はイスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国の首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。 これまで年間数千件の健康相談を受け、のべ4万件以上の悩みに応えてきた。相談者の話をじっくり聞き、不調の根本的な理由を探し、相談者の体質やライフスタイルに合わせたアドバイスをしている。Xで発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気を集め、フォロワー数は18万人を超える。