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中古タクシーは平成27年製のクラウン

ーーこのタクシーもヤフオクで。

センパイ そうです。15万円で。2020年の冬場、11月くらいに買ったのかな。

わすこ バスを買った後だね。

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センパイ コロナに入った時期で、タクシー会社が苦境にあった。で、あるタクシー会社が会社を畳むからって出てたのが、このクラウンで。タクシーは大体40万キロが限界なんですけど、まだ26万キロだったから走れると。引き取りのときに「大事に乗ってください」って言われました。

 平成27年製のクラウンで。いまはタクシーといったら、同じトヨタのジャパンタクシーばかりになってるじゃないですか。まだクラウンもぜんぜん走ってるけど、いずれは姿を見なくなるだろうって点でもいいかなと。

わすことセンパイの“乗務員証” ©松本輝一/文藝春秋

ーータクシーはガソリンじゃなく、プロパンガスを燃料にしたLPG車が多いですが、これはどちらですか。

センパイ ガソリンの車を探したんですよ。稚内から九州までの企画をやる前提でタクシーを買ったので、長距離を走るってなると、ガソリン車じゃないと無理だなって。

 LPG車はヤフオクでもいっぱい売ってますし、たしかに燃費はいいんすよ。リッター70円か80円で、6キロから7キロは走りますから。ただ、LPガスでフルサービスやセルフのスタンドってのがない。タクシー会社が使ってる専門のところに行かないと、入れられないんですよ。やっぱりガソリンのほうが、圧倒的にスタンドが多いですからね。そういうのもあって、ガソリン車を選びましたね。

 あと、LPG車は燃料代が安いんですけど、6年ごとにタンクの検査を受けなきゃいけないんですよ。それが、7万か8万かかるんですよね。

制服や乗務員証も作って宗谷岬から九州まで

ーータクシーメーターを付けていますか?

センパイ メーターは外されてたので、タクシー専門の業者に新しく付けてもらって。16万しましたね。タクシーよりメーターの方が高い(笑)。稚内の料金で設定もしてもらってます。宗谷岬から「ヘイ、タクシー!」で、九州まで乗ったらいくら掛かるのか。動画のなかで、その答えを出してます。

領収書も「わすことセンパイ」仕様 ©松本輝一/文藝春秋

ーーもしかして、タクシーの運転も……。

わすこ 私がやってます。

センパイ わすこさん、二種免許を持ってるので「運転してよ」って。

わすこ ほんとにかわいそうですよね、私(笑)。

センパイ ちゃんと制服も作って、着てもらいましたし。乗務員証も作りましたし、後ろの扉もちゃんと開けられますから。