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センパイ でも、費用は3桁を下らないっていう。そこをどれだけ自分の手で抑えるかっていうのが、DIYの楽しいところでもあるんで。座席はボルトでパコンと外せるんですけど、電気工事が必要なんですよね。

ーー電気工事の免許が必要になるのですか。

センパイ 車体自体の電気は、全部24ボルト系列なんで免許なくても大丈夫なんですけど、100ボルトのケーブルを引いたり、普通に家にあるようなコンセントを引く場合は、電気工事士の仕事が必要になりますね。で、電気工事士の免許を取ろうとしていて。この倉庫も電気は来ているんですけど、中の配線が通ってないんで、それも自分でやろうと。目下、資格取得に励んでます。

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©松本輝一/文藝春秋

「地元の皆さんと一緒になんかできたらいいな」

ーー以前の取材で、なにかの送迎バスに間違えられて乗車する人がいると話していました。こちらに移ってもそういうことが起きそうですね。

センパイ このあたりでは、こんなおっきいバスが通ってないんですよ。

わすこ 私がまだ実家に住んでた頃は走ってた。

センパイ そっか。

ーーバスが走っていても、コミュニティバスとかですかね。

センパイ マイクロバスとか、ヘタしたらハイエースとか。この先、ナンバー取ったら、うちのバスが町で一番デカいバスになると思います。

©松本輝一/文藝春秋

ーー制度的にいろいろと難しいでしょうけど、行政のほうから住民を乗せてほしいとか話が出てくる可能性も。

センパイ わすこさんの故郷も故郷なので、そんな話が来たらいいですけどね。こっちの都合もあるけど、地元の皆さんと一緒になんかできたらいいなとは思ったりもしてて。過疎化が進んでて、若い人もいないですから。

ーーガレージ探しに2年も掛かったり、維持費もガレージ代を入れたら100万近くになると。仕事で忙しいから、頻繁に乗れるわけでもない。時々、バスを手放してもいいかなと思ったりしませんか。

センパイ それが不思議とないんですよ。ここまでくると、子供みたいなもんですよね。乗れてなかった時期も、毎週駐車場へ様子を見に行ってましたし。

わすこ そう。逆にどんどん愛着が。

センパイ 状況にもよりますけど、維持できるだけは維持して、ほんとに走らない状態になっても手放そうとは思わないんじゃないかな。