今年9月、9歳になる長女・ふうかさんが難病「先天性ミオパチー」であると公表した、女優の星野真里さん(43)。難病を抱える娘とどのように向き合いながら、子育てをしてきたのだろうか。病気発覚の経緯から現在の生活に至るまで、星野さんに話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)
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産後しばらくはまったく病気を疑ってなかった
先天性ミオパチーは、筋組織の形態に問題がある疾患で、生まれつき「筋力が著しく弱い」「異常に身体が柔らかい」といった特性を持つ。運動発達の遅れが主な症状となるため、出産前や出産直後は病気に気付かずに、成長過程で発覚することがほとんどだという。
「ふうかを妊娠しているときは、本当に順調そのもので。つわりもなく、妊娠前と変わらない生活を送っていました。出産時も陣痛が来てから7、8時間で生まれてきてくれて、医師からは『安産ですね』と言われました。母乳もしっかり飲んでくれる子だったので、産後しばらくはまったく病気を疑ってなかったですね」(星野真里さん、以下同)
星野さんが違和感を覚え始めたのは、出産から3ヶ月が経った頃だった。生後3ヶ月の乳児と言えば、徐々に筋肉や神経が発達し、一般的に「首がすわる」と言われている時期。同じ時期に生まれた子どもたちが順調に首がすわっていく中、ふうかさんにはその気配すらなかった。
6ヶ月検診で“何らかの病気の疑い”を指摘され…
「『首がすわらない』『身体が柔らかい』と言ったキーワードで、何度もネット検索をしました。でも、ピンとくる回答は見つからない。周りに相談しても『子どもの成長には個人差があるから』と言われることが多かったです。
あの頃は、『そうだよね、成長は人それぞれだもんね』と自分に言い聞かせて、不安な気持ちを押し殺していました」
生後半年を迎えても、ふうかさんの首がすわることはなかった。そして6ヶ月検診で訪れた病院で、医師から“何らかの病気の疑い”を指摘される。
ただ、そのとき疑われたのは、別の先天性疾患だったそうだ。星野さんは声をつまらせながら、当時の状況をこう振り返る。
「小児科の先生から、『ふうかさんは重い病気にかかっている可能性があるから、大きい病院で精密検査を受けてほしい』と言われて。『もしその病気だった場合、外科的処置をしなければ2歳まで生きられない可能性が高い』とも説明され、もう何が何だかわからなかったです」