――修理に1年も掛かったのは、部品が手に入りにくいからですか。
コージ 修理屋さんに聞いたら、パーツは絶対にあると言ってました。1987年製とはいえ、やっぱりアメ車はタマが多いので、そのへんは大丈夫なんですよ。ただ、国内にはないものが多いので、海外から輸入しないといけなくて、それがけっこう時間がかかりましたね。エンジンを載せ替えたほうが早かったんだろうけど、修理してくれた方が「直す」と言ってくれたので、部品を海外から取り寄せてもらって。
でも、コロナで便が少なくなっていて、部品が届くのが遅くて。それで時間がかかったんですね。
さあや 旅に出て10日で止まっちゃって、そこから1年修理で(笑)。
アメリカンスクルールバスを運転する“怖さ”とは?
――そして、2022年6月に再スタートしたと。ただでさえアメ車は大きいですけど、さらにアメリカンスクルールバスとなると、運転も大変そうですね。
さあや 左ハンドルだし、車体の幅がすごいあるんですよ。それがもう大変だなって。だから、まっすぐなところしかムリって感じで。ほんと、車体の幅が白線ギリギリ。
まっすぐ走るにしても、その幅内で走ることがけっこう難しかったり。狭い道とかはメチャ怖いし、あと右側が見えないんですよ。右の後ろなんて、もうなにも見えない状態で。
コージ もともとスクールバス用に作られた車種は、ほんとにデカい。でも、僕らが乗ったのはアメリカの普通のバンがベースなので、日本の車よりも一回りデカいかなってぐらい。だから僕は、あまり気にならなかったです。
さあや ブレーキの効きが悪かったね。
コージ 重い。
さあや 止まらない。車体が重いから坂なんかだとスピードが出るんですけど、ブレーキが重いからピタッと止まらない。それが怖かった。
「メチャ暑いし、メチャ寒い」車中泊生活のリアル
――車内での生活で困ったことは? たとえば、暑すぎるとか寒すぎるとか。
さあや メチャ暑いし、メチャ寒い。
コージ 夏の車内は、40℃を超えますね。今年6月で43℃とかだったので。でも、それぐらいなら全然クーラーで対抗できますね。28℃あたりまで下がる。あと、夏は北海道に行ったので。
さあや バンライフ界隈は、夏になると北海道に集まるんですよ。やっぱり、夏の北海道は過ごしやすいんで。
コージ 夏の暑さも、黒い遮光シートを窓にバーッと貼っちゃえば。貼る前は43℃にいってたけど、遮光シートを貼っちゃえば、そんなに上がらないから。寒いほうがムリだったね。
さあや もう旅を断念しようかと思った。あまりに寒すぎて。