1ページ目から読む
2/3ページ目

 ミナ、サナ、モモの偉業は3人全員が “グループの日本担当”ではなく“韓国のスター”として現地の芸能界にしっかり溶け込み、大衆的な認知度を獲得、そして楽曲面とバラエティ両方で支持を得たことにあるだろう。さらには後にユニット名となる“MISAMO”として、元からのK-POPファンはもちろん、そうでなかった人たち、日韓の芸能人たちをも夢中にさせてきた。

昨年は紅白出場も果たした、TWICEの日本人メンバー3名によるユニット「MISAMO」。(左から)ミナ、モモ、サナ(TWICE JAPANのXより)

 現在、MISAMOは日本では初のドームツアーを絶賛開催中。K-POPグループからの派生ユニットの中でも突出した成功例だ。彼女たちの存在あったからこそ、日韓合同オーディション番組や多国籍プロジェクトに勢いが生まれ、IZ*ONE、Kep1er、LE SSERAFIMなど魅力的な多国籍ガールズグループの誕生にも繋がったのではないだろうか。

安室奈美恵の「NEW LOOK」カバーが大ヒットしているMISAMO(TWICE JAPANのYouTubeチャンネルより)

実はTWICEの「脱落メンバー」だったが……つかみ取った追加合格

 実は、モモは一度TWICEメンバー候補からの脱落を経験している。2015年に韓国で放送されたオーディション番組「SIXTEEN(シックスティーン)」で後のTWICEを選抜する際、モモはファン投票の結果と歌唱力への不安を理由に道半ばで不合格となったのだ。

ADVERTISEMENT

TWICEのメンバー選抜オーディション「SIXTEEN」でのモモ。当時20歳(MnetのYouTubeチャンネルより)

 しかしその後、モモはツウィと共に、番組の最終回で“追加合格”を果たす。モモのポテンシャルと、TWICEに欠かせないダンスパフォーマンス力、そして何より脱落を言い渡された翌日も稽古場に現れ、毎日粛々と練習していた姿を「最も誠実なメンバーだった」と、評価された結果だった。一見華やかで朗らかなモモの中にある、ストイックで努力家な一面が垣間見えるエピソードだ。

2015年、デビューしたばかりのTWICE ©時事通信社

 加えて、モモは「SIXTEEN」出演前にもソ・イングクらを輩出した韓国の大ヒットオーディション番組「SUPER STAR K」シーズン3の日本オーディションに挑戦していた。惜しくも予選敗退となったが、諦めずに姉とダンスする動画をYouTubeに投稿。現在までの所属事務所・JYPエンターテインメントにスカウトされたのは、その動画がきっかけだった。その後もデビューの話が頓挫するなど、なかなかの苦労人とも言えるモモだが、「負けたことがある」そして「這い上がったことがある」という経験が、人気に驕ることなく邁進する今の姿を作っているのではないだろうか。