「麻生節」では済まされない領域に入ってきた
ちなみに麻生氏はさらに講演で次の発言も。
《2012年の自民党総裁選で、安倍晋三首相を支持した経緯にも話が及び「暗いやつを選ぶか、あまり頭の良くないやつを選ぶか。だったら、おなかの悪いやつを選ぶのが一番良い」と述べた。立候補した石破茂元幹事長、石原伸晃前経済再生担当相が念頭にあるとみられる。》(毎日新聞 5月17日)
放言の量産態勢に入った。アスリート風に言うならゾーンに入った。
日刊スポーツは「ついに安倍首相標的」「世界まで巻き込み」と見出しを打った。(5月17日)
私が注目したのは、記事中の「麻生氏の言葉は、歯に衣着せぬ『麻生節』では済まされない領域に入ってきた」という部分。見出しでは大きく麻生節と書いたが、もうそんなこと言ってられるレベルではないと指摘。
最近SNSでも麻生氏の暴言を麻生節と報道するのどうなの? という声が少なくない。麻生氏のキャラとして認めてしまっていいの? という声。
朝日新聞「麻生節」のヤバさを分析
その点を頭に入れて新聞を読むと違いがみえてきた。例えば次の記事を並べてみよう。
読売「米朝会談控え また麻生節?」(読売 5月17日)
朝日「政権脅かす『麻生節』」(朝日 5月16日)
違いがわかるだろうか。
読売は麻生氏の放言を麻生節とそのまま書いたが、朝日は「麻生節」とカギカッコ付きで報じた。距離を置いているニュアンスがわかる。記事では「身内からも不安の声」として、
・「火消ししようとして、火に油を注いでいる」(自民党執行部の一人)
・「これまでは『麻生流』でかわしてこられたが、今回は心配だ。発言が世間の常識からずれ過ぎている」(麻生派の幹部)
を紹介。「麻生節」のヤバさを分析した内容となっている。