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なぜ読売新聞は、麻生節を「麻生節」と表記し始めたのか?

もうとまらない失言を、新聞はどう報じているか?

2018/05/25
note

ついに、読売新聞もカギカッコ表記に

 さて、この2日後。読売も変化があったのだ。次の見出しをご覧いただきたい。

「『麻生節』は止まらない」(5月19日)

読売新聞(5月19日)

 読売も「麻生節」とカギカッコで報じたのである。

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《麻生副総理兼財務相の言動を巡り、政府・与党幹部らが気をもんでいる。前財務次官のセクハラ問題では、開き直りとも受け取られかねない麻生氏の振る舞いが野党の批判を浴びた。にもかかわらず、自由奔放な「麻生節」がやまないためだ。》

 記事の中でも「麻生節」とカギカッコ。放言をキャラの一部のように書くのはマズいと考えたか、それとも政権に近いと言われる読売だからこそ麻生氏の言動に呆れ始めたのか。いずれにしても各紙の麻生節の表記は今後も要チェックだ。

放言量産態勢の真意とは何なのか

 それにしても、麻生氏のこの放言量産態勢の背景には何があるのか。

 私が考えたのは2点。まず、

・「新聞ほかマスコミによる麻生氏のマークがきつくなった」こと

「首相に近い議員らは『麻生氏の失言癖は昔から。もう治らない』(ベテラン)」(読売19日)という声もある。これに加え、メディアに注目されることで麻生氏も意固地になりはじめた。この循環のため。

どうなる、「麻生節」

 次に考えたいのは、

・「俺が失言しておくからお前ら先に逃げろ」という誤ったリーダーシップ

である。

 ヒーロー映画に「ここは俺が犠牲になるからお前ら先にいけ」というシーンがよくある。もしかしたら麻生氏も自分が悪目立ちすることで安倍首相にスポットライトが当たらないようにしてるのかもしれない。

 でもその麻生プロデュースの「アベンジャーズ」って、全然美しくないから困る。

なぜ読売新聞は、麻生節を「麻生節」と表記し始めたのか?

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