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父の看取り、相続、片付けに追われた5年間。今度は…

ーー命がかかっているからこそ、そう考えた?

アンナ 命ってことに関していうと、がんを告知されて重く考えたのは事実です。それまでは、漠然としか命ってものを捉えていなかったから。

 どっちかというと、梅宮家のあれこれが終わったことで、私にとっての大事な仕事が来たと思えた。相続をして、パパが残した、いろんなことを片付けるのはイヤだったんだよね。なんだか、やらされてる感があって「なんで、こんなものを残すんだろう」って。

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ーー“梅宮辰夫の娘”から抜け出して、そこで病気になったけども、これからは自分のことしか考えなくていいんだと。

アンナ もちろん、親には感謝してますよ。生まれてきて、親が見せてくれた風景、一緒に行った場所や食べてきたもの、そうしたものが自分を形成してるわけで。1人で生きてきたわけじゃないし、そこは親に対して「ありがたい」って。

 それでも、52歳になって、ようやく自分の世界が開けてきたなって。そういうのはありますよ。

 5年にわたって、父を看取って、相続して、片付けて。あれはあれで経験して良かったんですけどね。今回のがんも、また試されてるのかなって。ただ、今度は自分のことで自分が試される。

 

やっぱり自分のこの経験を、後の人たちに残さなきゃいけないなと

ーー病気になった意味みたいなものを見出すというか。

アンナ がんになったことを、どう生かすかってのも結局は自分次第だから。そこも踏まえて「いま、なにをしたいか」って考えたら、やっぱり自分のこの経験を、後の人たちに残さなきゃいけないなと思ってます。それも、押し付けるような形じゃなくてね。

ーー10月1日に、ニューモシスチス肺炎で入院されました。「毎日がロシアンルーレット状態で、明日どうなるかわからない状態」とのことですが、肺炎のように突然なにかしらの変調に襲われることが?

アンナ 肺炎もそうだけど、最初の頃にもありました。5月に第1回目の病院でエコーを受けて、そのあとにドイツに2週間行くことになってて、6月13日に出発したんですよ。

 そうしたら、がんになった胸のところが急に痛くなって。グワ~ッと来る痛さなんです。「何これ、絶対おかしい」って、旅行中ロキソニンを100錠ぐらい飲んで。ものすごく痛いし、怖いし、このままだと頭がどうにかなるなと思って、急遽日本に帰ったんですよ。

 診てもらったら、胸が萎んだことによって皮膚が吸い込まれるように引っ張られていて。それで痛くなってたの。