香取は「ただただ、残念」と…
僕はことし3月に放送作家をやめると決めたことを、SMAPメンバーのなかでは香取慎吾さんに最初に打ち明けました。自分の考えを伝えると、彼は大きくうなずきながら多くは語らず、
「ただただ、残念」
と言いました。そのあとに、
「気づけばずっとそこに、そばにいてくれた人だよね」
「自分の人生だし、自分で決めたのなら、それでいいと思う……」
とも付け加えてくれました。彼のひとことずつが、身に沁みました。
僕はSMAPとの関わりを、木村拓哉さんとラジオ番組をともにつくることから始めました。そうしてSMAPが紡ぐ物語を間近で見ることができたわけですが、物語が幕を閉じてからふりかえってみると、いちばん太いパイプを築くことになったのは香取慎吾さんだったように思います。
彼との関係が、何らかのかたちでこれからも続いていったらうれしいかぎり。何より、今後のことがこれほど気になる人も、ほかにいません。
これからの香取慎吾
SMAPを解散して、「新しい地図」として活動を始めたことで、彼の選択肢はいったん減ってしまいました。けれど、本人と仲間たちのがんばりによって、この8年でどんどん盛り返してきました。気づけばまた、前よりも多いたくさんの選択肢と、いろんな色の絵具を、彼らは手にしています。
香取慎吾さんはこれからますます幅広く、深みのある活動を展開するはずです。温かみある司会ぶりは相変わらず冴えているし、年齢とともに役者としての重みも増してきています。さらにはアーティストとしての活動も継続しており、年々評価が高まっているようです。
タレントとしては、ちょうど内村光良さんや西田敏行さんのような、何でも受け止めてくれる懐の大きい存在になり得るんじゃないでしょうか。現在47歳の香取慎吾さんが、これから人生の後半戦に向けて、どんな活躍を見せてくれるのか。楽しみでしかたありません。