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中国人に“制服フェチ”は存在するのか?──日中の性意識の違いを探る

中国人に“制服フェチ”は存在するのか?──日中の性意識の違いを探る

細部にこだわる日本人、数で勝負の中国人

2018/05/28
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上海で女王様を探してみよう

 中国においても、「量」で勝負せずに個々人や行為の内容のクオリティにこだわっていく人はいないのか? そこでネットで調べてみたところ、いわゆるSMの愛好者は、中国にも結構いるらしきことがわかった。

南太平洋のトケナウに割り当てられたドメイン上に置かれている、中国人SM愛好者の交流サイトの書き込み。漢字からなんとなく意味を想像していただきたい

 捜索を続けたところ、やがてチャットソフト『QQ』上で、かなりガチンコな雰囲気の上海在住中国人SM女王様を発見した。この女王様はQQの「空間」(個人ページ)上で、定期的に画像つきの複数回の投稿をおこなっている。一例を以下に挙げてみることにしよう。

「アタシは上海にいる。ゲスい畜生野郎やイヌ奴隷野郎を長期で募集。アンタがどれだけゲスくてもOKだけど、ゲスさが足りないヤツは駄目。マジでゲスい畜生野郎にだけ、アタシの脚の下にひざまづく資格があるの」。

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 なお、彼女が投稿している画像の数々は、中国のネット上にこんなの載せていいのかと思うほど過激であった。さっそくQQで連絡を取ってみると、普通に顔文字を使ってくれたりして優しかったが、どうやらお金を取るようだ。だいたい2000〜2500元(約3.5万〜4.4万円)くらいはかかるという。

「遊戯扮演(コスプレ)」のメニューに「唐王朝ルック」

「アタシは女王様で専門の調教室を持っているけど、うちには女の奴隷もいるわよ」

 というわけで、個人営業ではなくグループでやっているらしい。しばらく会話すると、以下のようなメニュー表が送られてきた。

「足尖虐肛」「女王舌吻」「窒息快感」。声に出して読みたくない四字熟語の洪水である

 全文を翻訳してご紹介したいが、まともに訳すと本記事の品位がいちじるしく落ちるので、漢字からなんとなく意味を類推していただきたい。ただ、「遊戯扮演(コスプレ)」の種類のなかに「唐王朝ルック」「チャイナドレス」という項目があるのが実に中国らしい。やっぱりハイコンテクストなコスプレ文化も、趣味の人の間では人気があるんじゃないのか?

 しかし、顧客としての利用ではなく「上海の女王様」の人物本人に話を聞けないかと打診してみたところ、残念ながらあっさり断られた。とはいえ、こういう産業があるということは一定数の愛好者の紳士諸氏がいるということであり、やはり未知の広大な世界が広がっているようだ。

【募集】中国の女王様と奴隷の事情に詳しい方、安田に連絡をください。(meirojin@gmail.com )

私の取材依頼を断ったあとも「日本のSMは中国よりも進んでいるわよね」などと雑談をはじめる女王様。こういう焦らしプレイなのか