最近のスマホは、年に1度はモデルチェンジが行われるケースが大半を占めます。そのせいで、新しいスマホが紹介される時は、ひとつ前のモデルとの比較で、どこが進化したか語られることがほとんどです。

 もっともスマホを毎年買い替えるユーザはむしろ少数派で、多くの人は最低でも2~3年、場合によっては数年以上にもわたって、同じスマホを使い続けていることでしょう。そのためひとつ前のモデルと比較されても、自分が使っている数世代前のモデルとどのくらい違うのか、なかなかピンと来なかったりするものです。

 今回は、iPhoneでかつて主流だった「iPhone 6」から「iPhone 8」までのホームボタン搭載モデルと、最新のiPhone 16シリーズの最上位であるiPhone 16 Pro Maxを比較し、具体的にどこが違うのか、また買い替えずに使い続けた場合に何がネックになりうるのかをチェックします。

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今回はホームボタン搭載iPhoneの中では比較的世代の新しい、2017年発売の「iPhone 8」(左)を、最新のiPhone 16 Pro Max(右)と比較します

カメラのレンズが1つだけ、Wi-Fiも遅く5Gは非対応

 今回取り上げる「iPhone 8」は、iPhone 6や6s、iPhone 7、さらに現行の第3世代iPhone SEとほぼ共通のボディデザインを持つ、画面下にホームボタンを搭載したモデルです。薄いながらも手に収まりやすいラウンドフォルム、さらには出っ張りの少ないカメラを備え、いまなお評価の高い製品です。

「iPhone 8」。発売は2017年。側面がカーブしたラウンドフォルムを採用し、画面下部にホームボタンを備えるデザインは、iPhone 6/6s、iPhone 7、さらにiPhone SE(第3世代)とほぼ共通です

 とはいえ現行のiPhone 16シリーズと比べると、さすがに見劣りする部分が多々あります。画面サイズは4.7型で、iPhone 16シリーズの中でもっとも小さいiPhone 16(6.1型)と見比べてもかなりの差があります。大きければ必ずしもよいわけではありませんが、見やすさの差は圧倒的です。

 また画面の明るさも、iPhone 16 Pro Maxのピーク輝度は2,000ニト(屋外)なのに対し、iPhone  8およびiPhone 7は625ニト、iPhone 6/6sに至っては500ニトと、直射日光下での視認性には大きな差があります。実際に使っていると気が付かないものの、買い替えた時にびっくりさせられるポイントのひとつと言えます。

左がiPhone 8、右がiPhone 16 Pro Max。現行モデルはホームボタンがないため、画面サイズが大きいだけでなく、本体面積に占める画面の割合が高いことも特徴です

 またハード面での最大の違いはカメラで、現行のiPhone 16は広角と超広角、ハイエンドであるiPhone 16 Pro Maxは広角・超広角・望遠とレンズが3つもあるのに対して、iPhone 8は広角の1つだけ、なおかつ12MPと、同じ広角レンズでも48MPあるiPhone 16シリーズの足元にも及びません(8MPしかないiPhone 6だと差はさらに広がります)。現行モデルに買い替えた時にもっとも差を実感するのが、このカメラでしょう。

iPhone 8はシングルレンズなのに対して、iPhone 16 Pro Maxは超広角/広角/望遠の3レンズを搭載します
iPhone 8は現行モデルではおなじみのナイトモードを搭載していないため、暗所での撮影に対応できないのも致命的です(左がiPhone 8、右がiPhone 16 Pro Max。フラッシュ未使用)

 パフォーマンスについても、ベンチマークアプリで比較すると、上位のiPhone 16 Pro MaxとiPhone 8のスコア差は平均して3倍近くあります。体感的にも、さまざまな操作で反応がワンテンポ遅れるイメージで、用途によらず使っていてつらいものがあります。またWi-Fiが遅いためダウンロードにも時間がかかりがちなほか、5Gに非対応なのも、いまとなっては大きなネックです。