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そんな若宮さんの講演に訪れるのは、50~70代が中心だが、なかには若い男性などもいると言う。「人生100年時代」が現実となり、深刻な少子高齢化で、経済も社会も上向く気配が見えない今は、若者が夢を持ちにくい時代と言われる。

一番大切なのは「自分の頭で考えること、自立すること」

そんな中、80代から世界に羽ばたいていった若宮さんに若者が憧れ、話を聞いてみたいと思うこと自体、希望を感じられる話かもしれない。そうした講演の中で、一番大切なこととして若宮さんが挙げるのは「自分の頭で考えること、自立すること」だ。

「特に脳みそが自立していることが一番大事だと思うんですよ。今の世の中、振り込め詐欺とか、高齢者を狙った犯罪も多いですよね。でも、自分の頭で考えたら、明らかにおかしいじゃないですか。どうしてそんなおかしいことに気がつかないの? と思うんです。自立して、自分の頭で考えて、自分で行動する。人に引きずられないことが大切です」

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中高年には「孤独」への不安を訴える人も多い。そうした中高年に対し、若宮さんは地域ボランティアなどを勧めている。

「高齢の人に何かをやってあげると、ありがとうと言いますよね。でも、高齢の人は、本当は自分が『ありがとう』と言われたいんです。だから、若い人は、できれば高齢の人がありがとうと言われる場を作ってあげてください。例えば老人ホームなどで、手間暇かけた手作りのものを作っているスキルの高い人がいます。でも、たいていつまらない顔をして作っているんですよ。だったら、それを例えばバザーなどで売って、そのお金を子ども食堂に寄付などしたら、ありがとうと言われるし、気分が全然違ってくるはず」

経済不振の原因は、日本企業の意識が変わらないから

80代から新しいことをどんどん手掛け、自身のフィールドを世界規模で広げていった若宮さんに「元気をもらった」と言う人は多い。しかし、「元気を人からもらうなんていうのは、自立していない証拠。元気は人にもらうものじゃなくて、自分で作り出すもの」というのは、おそらく若宮さんの若い頃からの一貫したスタンスだ。