と同時に、これから社会に出る若者や社会人の現役世代、親世代に向けて、意識の改革を勧める。
「もうこれからは会社に入る時代じゃない。自分が一番いいと思ったことを、自分が一番いいと思う方法でやる時代だと思う。日本の企業はもうダメです。今、日本経済が振るわないのは、日本の企業が変われないから。古い体質の組織を変えようと思ったら、重役も職員も、自分たちが変わらなければダメですよ。今は人工知能でできる作業がたくさんあるわけですよね。例えば、市役所のHPに出すリリースを300字以内にまとめるなんて仕事は、人工知能さんだったら、5秒ぐらいでやってくれる。逆に、今まで自分がそれをやって給料もらっていたのが申し訳ないと思うような時代になってくる。意識を変えなきゃダメですね」
スーパーウーマンではなく「たまたまヒットが打てただけ」
新しいモノに対する不安や、「失敗が怖い・恥ずかしい」という思いが、実は自分を小さな世界に閉じ込める最大の壁かもしれない。
若宮さんは81歳でプログラミングを始め、本を出版したり、講演したりと、人生が激変した。そんなスーパーウーマンだが、今の状況をこんなふうに例える。
「老人会の野球大会があって、打席がまわってきたからバッターボックスに立った。で、バットを持っていたら、球が偶然バットに当たっちゃった。そうしたら、ふらふらっとフライが上がって、あれよあれよというまに追い風が吹いてきて、それがヒットになった。そこにさらに追い風が吹いて、いつのまにか場外ホームランに。最終的にはアメリカまで飛んでいっちゃった」
「人生100年時代の子どもたちを勉強嫌いにしないで」という願い
失敗や挫折もそれなりに経験し、いろいろ手放したり諦めたりしてきた中高年こそ、ダメでもともとという気持ちで、肩の力を抜いて気軽にバットを振れるかもしれない。若い頃に比べて期待も注目もされない今は、ある意味、最強とも言える。若宮さんは言う。