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余談になるが、結果的に私は父から相続した資産を弟と折半した。
父の介護にかかった金は差し引いたうえでの折半を求めることもできたが、あえてそうはしなかった。
領収書をとっていなかったので、証拠がないし、天から降って来たようなお金に執着して骨肉の争いと化した挙句、ストレスを募らせるようなことになるのは不毛だと考えたのだ。
祖母の介護を巡り姉妹の関係性が崩れたことに心を痛めていた母が、身をもって伝えてくれた教訓だったのかもしれない。
森永 卓郎(もりなが・たくろう)
経済アナリスト、獨協大学経済学部教授
1957年生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。専門は労働経済学と計量経済学。著書に『年収300万円時代を生き抜く経済学』『グリコのおもちゃ図鑑』『グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学』『なぜ日本経済は後手に回るのか』などがある。
経済アナリスト、獨協大学経済学部教授
1957年生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。専門は労働経済学と計量経済学。著書に『年収300万円時代を生き抜く経済学』『グリコのおもちゃ図鑑』『グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学』『なぜ日本経済は後手に回るのか』などがある。