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黒岩祐治知事が2023年度の県議会答弁で「こども医療センターの大改革を行う」と明言したのに、改革の「か」の字も評価書には記載されていない。厳しい指摘や批判も、終わってしまえば、それまでなのだ。全く何事もなかったかのような姿勢である。これでは、新理事長の孤軍奮闘で終わってしまう。

県が一体とならないと改革は実現しない

このような県の姿勢を見ると、2018年に機構内で起きた理事長解任騒動が想起される。県立がんセンターで医師の集団退職問題が発生する中、機構を改革しようとした当時の土屋了介理事長が県と対立し、解任処分を受けたのだ。この処分は不当だとして土屋氏が県を相手に民事訴訟を起こし、現在も係争が続いている。

地方独立行政法人である機構が神奈川県民のために安全で質の高い医療を提供していくためには、機構と県が一体となって改革に向かわなければ実現できない。果たして真の改革が果たせるのか? 私から見ると、神奈川県としての強い意思は全く感じられない。

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救える命を失っても、事実を隠蔽し、ほっかぶりをしていれば、忘れさられて不問になる。これがまかり通ってきた神奈川県立こども医療センター。まず人事刷新は果たしたが、本当の改革はまだまだ果たされていない。

医療ガバナンスの崩壊によって、失われた尊い命は戻ってこない。黒岩知事と機構はその重大性を思い知るべきである。

あなたは、このこども医療センターにお子さんを入院させますか?

小川 久仁子(おがわ・くにこ)
神奈川県議会議員
1953年生まれ。早稲田大学卒業後、予備校講師などを経て1999年、神奈川県議に初当選(現在7期目)。医療・福祉・介護・教育分野の政策に重点的に取り組む。