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中村 そのエピソードから伊都子さんの日記に辿り着いたんですね。

 はい、面白いなあと思って。いろんな思惑が働いて、身分のある方たちの結婚っていうのは、本当に大変なんだなということを感じましたね。

中村 確かにそうですよね。眞子さまの件でも、やはり身分のある方のご結婚に対しては、いろいろな人がいろいろなことを言いたいんだな、と思いました。

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 そうですね、本当にそう思います。

中村 書くにあたってこれは大変だった、ということはありますか?

 私みたいな山梨出身の庶民の娘が、皇族妃になりきってセリフを書かなきゃいけない、というのが本当に難しいところでした。これができるかできないかというのが、作家の分かれ道だと思います。

中村 確かにそれは難易度が高いですね。

『李王家の縁談』(林真理子 著)

 今の人の考えで書いてはいけないんですよ。例えば、ものすごく上から目線で物事を見るのは当たり前だし、とても高慢だし…。

 それから、日韓併合を今の価値観で語ることはできません。当時の皇族妃に「日本は何てひどいことをするんですか」などと言わせたら、これは間違いなんです。当時のやんごとなき方々は、日本がアジアの長兄として、遅れている国を欧米の脅威から守ってやろう、と本気で思っているわけですよ。なのに何でこの国の人たちは反抗して言うことを聞かないのか…そんな風に思っている。

 当時の皇族妃という人の目となり頭となって小説を書くのが、大変なところでもあり、楽しみだったと、今では思いますね。

中村 それがリアリティにも結びついてきましたね。

 そうですね。今回はとても楽しんでうまく書けたかな、と思っています。

中村 連載中、大変だったという話は折に触れて伺っていました。皆さん、ぜひ手に取って読んでください。

 よろしくお願いします。

李王家の縁談 (文春文庫 は 3-65)

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林 真理子

文藝春秋

2024年12月4日 発売

皇后は闘うことにした

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林 真理子

文藝春秋

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