2019年から2020年にかけて61人が検挙されたにもかかわらず、大阪・梅田の「泉の広場」がまた、立ちんぼ女性が集まるスポットになりつつあるワケとは…? フリーライターの花田庚彦氏の新刊『大阪 裏の歩き方』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

大阪・梅田の「立ちんぼ」事情とは? 写真はイメージ ©getty

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泉の広場に立ちんぼはまだいる

 梅田地下街ホワイティの外れにある泉の広場。もともとは噴水があり、それを囲うように座れるスペースがあって、待ち合わせ場所として重宝されていた。

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 しかし、この泉の広場は、大阪では売春の温床としても知られていた。2019年から2020年にかけて立ちんぼの女性61人が検挙されたことで、全国的にも知られるようになる。

 現在は、立ちんぼを寄せつけないためかわからないが、噴水は撤去されている。取り締まりに伴い、立ちんぼは別の場所に移ったと言われているが、実際のところはどうなのか。

 事情通に聞くと、「まだいますよ。兎我野町より質は落ちるけど、数人立っています。行けばすぐにわかりますよ」とのことだったので、リニューアルされた泉の広場に向かった。

あべの地下街は売春や客引き行為を警戒中(写真:花田庚彦)

 周辺には桜のモニュメントが装飾されており、かつての泉の広場の面影はない。待ち合わせのメッカとしての顔は健在で、次々と人が集まってくるが、なかには明らかにそれと思しき女性も数人、見受けられる。

 真横のカフェに席を取り、観察することにした。

 Xや出会い系の掲示板などで売春を募っている可能性もあるので、それらしいキーワードを入れて検索してみたが、ヒットはしない。

 女性たちは露骨な客引きをするわけではなく、声かけを待っているように見える。何かあったとき、言い逃れられるようにしているのだろうか。売春防止法第5条第1項では、処罰の対象行為として「公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること」と明記している。つまり、強引に客引きをしなければ、罰則の規定に当てはまらないのだ。