死ぬ前に犯人が残した「最期の言葉」

 刑確定から6年11ヶ月後の1969年12月8日、正田に翌日の死刑執行が告げられる。当時は前日言い渡しが慣例で、正田は残された時間で家族やフランス人神父と面会するとともに、知人や友人に手紙を書き残した。以下は、裁判で弁護を担当した正木亮(1892-1971)に送った手紙の一節である。

〈これから、最後の夜を母のために過ごすつもりです。では先生、もういちど、さようなら〉

 12月9日、絞首刑執行(享年40)。最期の言葉は「アーメン」だったという。

最初から記事を読む 「お前の彼女は誰とでも夜を共にする“あばずれ”」恋人は浮気性→第一志望の会社は内定取り消し…慶應卒のイケメン元証券マンが「強盗殺人犯」に堕落した理由(1953年の事件)