部下がノルマを達成しないと、気合いと根性が足りないからだと激高する営業部長。常に指示待ち、しかも側で同僚がどんなに困っていても自分の担当外の仕事は絶対やらない若手社員。役員には平身低頭だが、部下には横柄な態度で暴言を吐く上司……。本書にはこのような「職場を腐らせる人たち」の多様な事例が次々と登場。ビジネスパーソンの共感を呼んでいる。
著者は、27万部のベストセラー『他人を攻撃せずにはいられない人』等、多くの著書を持つ精神科医。これまで7000人以上を診察し、企業や金融機関などでメンタルヘルスの相談に乗ってきた。本書はその臨床経験をもとに「職場を腐らせる人」の精神構造と思考回路を分析。また、彼らにどう対処すべきかも解説している。
「組織で働く人たちの実感そのものをタイトルにしたことが、ヒットの一因かもしれません」(担当編集者の佐藤慶一さん)
男性読者は50代以上、女性読者は30~40代がメイン。読者の感想には意外な声も少なくないという。
「自分が『腐らせる人』になっていないかを確かめるために読んだ、自分の中にもその要素があると気づき、今後一層気をつけなければと思った、という方が一定数いらっしゃる。このような読み方をしてもらえるとは想定外で、私にとっても発見でした」(佐藤さん)