会見は記者からの質疑応答に入る前に、城島さん、松岡さん、長瀬さん、国分さんの順番でそれぞれの考えや気持ちを語っていったのです。
この最初にメンバー一人ひとりが語った意思表明では、被害女性とその家族への謝罪を神妙な面持ちで述べたことや、山口氏の犯した罪を叱責するという姿勢は4人とも同じでした。
寄り添う城島、突き放す松岡…真逆の発言をした2人
けれど、まず語ったリーダーの城島さんは山口氏に寄り添うような発言もあったのです。
「正直、なかなか山口が憔悴しきって、その姿を見ているときに、23年一緒にやってきた仲として、すぐ決断、『そうか辞めてくれ』っていうふうに言えない私たちがいました」
「そしてこの先どうするかはまだ答えは出てませんが、ただ、できることを、目の前のできることをしっかりとやって、がんばっていくしかないなというのが結論でございます。この結論がみなさんにとって、TOKIOって甘い、リーダー甘い、メンバー全員甘い、いろんな声があると思っております」
この時点で城島さんが山口氏を辞めさせると決断していたのであれば、「甘い」と批判されることを想定することはなかったはず。
ということは城島さんのなかでは、謹慎期間などを経たあとに山口氏をTOKIOに復帰させるという選択肢があったと推察できるというもの。むしろ、山口氏へ思いを馳せる城島さんの表情や口ぶりからは、いつかTOKIOに戻してやりたいという気持ちに傾いていたようにも見えました。
しかし、次にマイクを握った松岡さんの発言は城島さんと真逆。
「おそらくあのときの彼(会見時の山口氏)は、自分が崖っぷち――ではなく、自分が崖の下に落ちていることに、気づいていなかったと思います」
「TOKIOに戻りたい、俺にはTOKIOがある、TOKIOに帰る場所がある。もしそういう気持ちが少しでも彼のなかにあり、その甘えの根源が僕らTOKIOだったとしたら、これはあくまで自分の意見ですけども、そんなTOKIOは一日も早くなくしたほうがいいと思います。僕がテレビを観てたら、そうやって言う視聴者のひとりになっていたと思います、俺」
このように率直な気持ちを述べ、かなり辛辣に山口氏を突き放したのです。
このときの松岡さんはできるだけ冷静に言葉をつむごうとしていたのか、一人称は基本的に「僕」だったのですが、ふいに「俺」と発する場面も。彼の言葉はすべて真摯な本心だったとは思いますが、「僕」から「俺」に変わってしまった瞬間などは、平静さを失うほどの奥底の本音がこぼれ落ちたように感じました。