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潤雅 そこの助産師さんは、母が弟を取り上げてもらったベテラン助産師さんを知っていたんですよ。それも決め手で。「ああ、◯◯先生ね。うちもよく研修に行かせてもらった」とか言ってたので安心して。

へその緒が巻いていたので「踏ん張るスタイルで」…

ーーまったくの安産でしたか?

潤雅 陣痛がトータルで12時間くらい続いて。でも、ちゃんと子宮口が開いてないと、助産院に行っても返されるんですよ。だから、耐えに耐えて。一回、助産院に電話して状況を伝えたら「まだしばらく待っといてください。お風呂でも入ったら?」って言われたんですよ(笑)。痛みにはわりと強いタイプなんですけど、「これ結構スゴいかも」って痛さで。

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「これはギリギリやと思うんですけど」ってもう一回電話したら、「ほんなら一回見てみようか」って言われて、助産院に行ったら子宮口が6センチにまでになってたので分娩台に乗って。

ーーそこからスルッと。

潤雅 いや、そこから4時間。

 

 立ち会いでユナのすぐそばにいたんですけど、大変でしたよ。「あ、来た来た来た」ってなるたびに、ウーンとか言いながら、いろんな体勢になって。それでも、なかなか出てきてくれなかったんですけど。

潤雅 分娩台で足を開くだけではなく、下を向いてみたりとか、ボールにつかまってみたりとか、いろんな体勢になったんですけど、最終的には和式便所で座るような感じの踏ん張るスタイルで。それでもなかなか出なくて。どうしてかというと、へその緒が2周巻いてる状態で。それで心音が弱くなったら大きい病院に移るんですけど、心音は元気なままだったので「このままいこう」って。へその緒が巻いてるときは踏ん張るスタイルが一番出てくるって言われて、そうしたらこつぶちゃんが出てきました。

ーー産まれて、夫婦で号泣。

潤雅 全然泣けへんかったね。「イェーイ」ってカメラで撮ってた(笑)。なんやろ。喜びのほうが勝ってたのかな。

 なんか、ドワーッと脳に来てるんですよね。

潤雅 そうやね。ナチュラルハイやったんやろうな。

 やっぱり、出産のその場に一緒にいるから。付き添いした人はみんなそうだろうけど、「一緒に産んだんだ」みたいな気持ちがどこかにあるわけで。ユナは、それが思いっきりできる助産院でないと嫌やということだったんだよね。