うちは母乳でいきたかったから
ーー育児は分担して?
潤雅 そうですね。でも、「塩さん、これをお願い」みたいにキッチリ分担してるわけじゃなくて。会陰切開の痛さもあったけど、産んでから何回も乳腺炎になってるんですね。そっちの痛みもあったりで、分担とか言ってる場合じゃなくて、「痛くて、これできひんからやって」とか、その時その時の臨機応変な感じで。でも、オムツ替えは最初からやってたよね。
裕 うん。当たり前だけど、おっぱいは絶対にユナしかあげられない。普通やったらお父さんがミルクをあげたりとかしますけど、うちは母乳でいきたかったから、それがないので。
ーーでは、ミルクは一切飲まさず。
潤雅 ミルクは、5個入りの支給品を助産師さんからもらったんですよ。そのうちの2つを使ったくらいで。退院したばっかりのときに、母乳を飲んでるかどうかわからへんから、とりあえずミルクをあげておこうかって。それぐらいしか使ってなくて。
裕 だから、哺乳瓶も用意したけど、ほとんど使ってない。
潤雅 母乳に関しては「出るか出えへんか」じゃなくて、「出さな」って気持ちになってくると、どんどん出てきたので。母乳の質をよく保つために、3時間以内に必ず飲んでもらう桶谷式母乳育児というものがあって。その授乳法だと断乳もしやすいと言われているんですよ。それで、3時間おきに起きてはおっぱいをあげてたのでヘロヘロで。それもあって傷の治りも遅かった気がする。ただ、私の母が家事とかやってくれたので、そこはすごく助かりましたね。
塩さんは2回目だけど子育ては初めて
ーー裕さんは離婚した元パートナーの方との間に、37歳の娘さんがいらっしゃいますよね。今回、37年ぶりの育児になりますが、ブランクがかなりありますから感覚的に初めての育児に近かったのでは? 35歳というおふたりの年齢差による、出産や育児の捉え方の違いも出てくるでしょうし。
裕 それはあると思います。僕がやってしまうと古い考えがどうしても入ってしまうので、ユナの考えを優先するようにしていて。まあ、古い考えが入ってしまうといっても、前の子供のときはそこまで育児に接していなかったんですよ。いまは一緒に育児をやっているのもあるし、毎日新しいことに出会っている感じなんですね。
潤雅 私たちみたいに「うちは30歳差です」「32歳差なんです」っていうご夫婦といろいろ出会うことが多いんですけど、夫が年上の場合だと奥さんが「2回目の子育てをしっかり担ってくれてありがとう」って、インスタとかに投稿してたりするんです。
私もそういう投稿を見て、「そうやな、塩さんも2回目の子育てになるよね」とか話してたんですけど、塩さんって子育てをほとんどしたことがないんですよ。「よく考えたら、そうやった……」ってなりましたね。
オムツを替えたのも1回あるかどうか、一緒にお風呂に入ったのもどうかってぐらいだったらしいです。
裕 沐浴をしたくらい。桶に浸けて洗ったのは覚えてる。