共にミュージシャンであり、YouTubeチャンネル『コアライオン年の差Life』を運営する、35歳差の夫婦である塩崎裕(しおざきゆたか・69)さんと黄潤雅(ホァンユナ・34)さん。

 10回の人工授精の失敗と顕微授精を経て、2023年5月に女児が誕生したふたりに、出産時の様子、産婦人科ではなく助産院での出産を選んだ理由、35歳差から生じる育児観の違いなどについて、話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

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昨年の文春記事の反響

ーー2023年4月に取材させていただきましたが、どのような反応が。

黄潤雅(以下、潤雅) 私らから「載ったよ」とは言ってなかったんですけど、みんなあの記事を読んでくれてはるね。

塩崎裕(以下、裕) どうやって出会ったとか、一緒になったとか、僕らのことをいちいち説明するのがジャマくさいんで「文春見てください」って言うんですよ(笑)。

潤雅 そうそう。記事のリンクを送っちゃったりするね。塩さんの離婚の経緯とか体外受精で子供がやっとできたとか、一番赤裸々に話をさせてもらったのが文春の記事なんですよ。私たちのこと、結婚してすぐに子供ができたって思ってる人も少なくないと思うんですけど、「そうじゃなかったんだ」って。「子供ができるまでが大変やったんやな」っていうことがわかってもらえる記事なんで、「頑張ってるね」って言われることが多いですかね。

左から裕さん、こつぶちゃん、潤雅さん

助産院で初産のこつぶちゃんを自然分娩

ーー娘さんの「こつぶちゃん」が誕生したのが、取材から1ヶ月後の2023年5月。裕さんが68歳、ユナさんが33歳での出産になったと。出産前は、どのような心境でしたか。

 ユナは初産なのでね。まず、そこは心配でした。あと「できるだけ帝王切開とかそういうのも一切なしで自然分娩したい」ってことで、助産院で産むことにしたんですけど、「助産院って、どうなんだろう」って少し思ったりして。

潤雅 塩さん、メッチャ心配性やからね。私は自然な分娩をしたかったから、なんやったら水中出産とかがいいとか言ってたんですけど、塩さんは「そんなの耐えられへん。できるだけ、リスクのかかることはやめてくれ」って。で、ふたりでギリギリ譲り合えるところで、大きな病院と連携ができてる助産院なら、自然分娩でいいよってなって。緊張してたのは、私よりも塩さんやと思います。

 結構遠いところまで行ったりして、いろいろ助産院を見て回って。最終的に決まった助産院が、アットホームな感じで、みなさんフレンドリーで。「ここなら安心だな」と、すぐに思えましたね。