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裕福な生活ぶりが伝わるSNS投稿もタブー

 連続強盗事件の複数の現場近辺では、かねてから不審なアポなしの訪問業者が出没していた。これらは犯行を見据えたリサーチの可能性があり、相手にしないのが鉄則。自宅に上げるのはもってのほかだ。悪徳リフォーム業者に引っかかると、杜撰な工事で高額請求された上、情報が闇で売られてしまうリスクもある。

 SNS等で不必要な自慢をするのもタブー。多田氏が続ける。

「車や時計など高価な買い物をしたとか、投資で儲けたなど、資産状況が分かる投稿は避ける。SNSで自宅が特定されるわけではありませんが、すでに闇名簿に家がリストアップされていたとしたら、個人のSNSもチェックされる。裕福な生活ぶりが伝わると、標的として優先順位を上げられてもおかしくない」

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多田文明氏

施錠、防犯フィルムなどの準備を

 日頃からの心構えとしては、在宅時も含めて施錠を徹底する。セコムIS研究所研究員の濱田宏彰氏が言う。

「玄関、窓ガラス、戸建てであれば勝手口も、普段からしっかりと施錠する。今はダブルロックの玄関が多いですが、古い家だと鍵が1個の場合も多い。二重三重にすれば、セキュリティグレードは上がります。窓ガラスについては、頑丈な防犯仕様に取り替えるのは難しいとしても、防犯フィルムは準備したい。鍵のある部分だけ貼っても、強い力が加わると、そこだけ抜けてしまう可能性がありますので、ガラス全面に使用するのが望ましいでしょう」

 それでも、もし強盗グループに押し入られてしまったら――。窓ガラスが割られる音など異変を察知した際、不用意に物音がした箇所を確認しに行かない

寝室を鍵付きにし、緊急時の「セーフルーム」に

「強盗と遭遇してしまうことになる。闇バイトの実行犯たちは、なりふり構わず襲ってきます。外に逃げられるなら逃げる。その動線がなかったり、逃げる暇がなかったりしたら、見つかる前に籠城する。鍵のかかる部屋を作っておくのも有効です」(同前)

 日本の一般家庭で、不法侵入者に対して緊急避難する「セーフルーム」を設けている家屋は、ごく少数だろう。濱田氏が続ける。

「寝室を鍵付きにし、就寝時は鍵をかけるようにしておくとよい。ただ、前提として籠城は、110番通報した上で行うものと想定してください。つまり、時間稼ぎが最大の目的です」