取引は週2、3回に及んだ
カウフマン氏の辞任が発表されたのは、それから3日後のことだった。
そして発表から数時間後、小誌記者は都内の飲食店で当事者であるX氏と向き合っていた――。
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実は、小誌がカウフマン氏の違法薬物使用に関する情報を入手したのは、昨年2月のことである。小誌記者に寄せられたのは、次のような情報だった。
「カウフマン氏はもともと彼と親密だったラテン系の女性を介してドラッグを卸してもらっていたが、昨年1月以降は、売人と直接接点を持つようになった。取引は週2、3回に及ぶ」
小誌はカウフマン氏にまつわる薬物使用疑惑の全容を掴むべく、継続的に行動確認を続けてきた。
取材班のカメラが捉えた彼らの姿
初めて取材班のカメラが“現場”を捉えたのは、昨年2月11日夜11時半過ぎのことである。
ダウンジャケットを羽織ったカウフマン氏が自宅マンションのエントランスから出て、気温2度の寒空の下、帽子にマスクで身を固めた短髪の男性と近くの公園で落ち合う。2人は周囲を警戒しながら言葉を交わし、横並びに歩きながら数十秒で“取引”を終えた。
「この日、カウフマン氏と密会したのは、売人のX氏。彼は関東近県の密売所でコカインやMDMAなどを仕入れ、カウフマン氏の求めに応じて24時間態勢で違法薬物を届けていた。カウフマン氏からは、専属の売人のような扱いを受けていた」(X氏の知人)
2人はシグナルやテレグラムといった機密性の高いアプリを利用。当時、小誌が入手したシグナルでのやり取りには、カウフマン氏がX氏に次のような文言を送った記録が残されていた。
〈Hi…can you deliver this week?〉
〈2bags from two weeks ago and one MD …right?〉
「2bags」は2パケ(2袋)のコカイン、「MD」は合成麻薬のMDMAを指す。いずれも麻薬及び向精神薬取締法に抵触する違法薬物である。取引の翌日、小誌はカウフマン氏がX氏に次のようなメッセージを送信していることを確認している。
〈great night〉
〈quality good〉
〈I'm happy〉
取材班のカメラが2度目に彼らの姿を捉えたのは、同年2月28日夕方6時40分のことだ。
自宅を出たカウフマン氏は近くの公園に直行し、周囲を見渡せる階段上の踊り場でX氏と落ち合った。それから15分以上にわたり、2人が身振り手振りで交渉している様が見て取れる。カウフマン氏は興奮した様子で一度、立ち去るが、すぐに踵を返す。その後、徒歩1分のコンビニのATMに立ち寄り、再びX氏と合流すると、引き出した20万円をX氏に手渡すのだった。