“音楽が降りてくる瞬間”じゃなくて「過集中」という症状だった
――4s4kiさんは今年10月にリリースされた「頑張り屋さんだから愛して」という曲を発表する際に、SNSでADHDであることを公表されました。当時、ご家族の間でも思い当たる節はありましたか?
4s4ki 真面目な家族だったので、たまに私を見て、「だらしない」と言っていたことがありました。実際、私自身、性格的に怠惰な部分も結構あるので、一概に全てがADHDのせいとも言えないのかな? という思いもありますが、ADHDという言葉が世間で知られるようになって、実は母自身も、私と似たような気質だったことに気付いたそうで。「そういえば、私も『だらしない』とか言われてたの」と話してくれましたね。
――ADHDの特徴的な象徴は、不注意、多動性、衝動性といった3つに大きく分けられるそうですが、ほかにも、今にして思うと、「あれはADHDの影響だったのかも?」といったことはありましたか?
4s4ki めちゃめちゃありました。たぶん私は注意欠陥障害の要素も大きいんですが、一番大きいのが衝動性でして。それこそ分かりやすいもので言えば軽はずみな失言とか、衝動的な行動から併発してしまった精神疾患もありました。
あとは過集中。それこそ、さっきまでピアノを弾いていたときも周りが見えなくなっちゃっていたんですけど、私、ライブの時も記憶が全く無いときが結構あって。楽曲制作も、作業が進むときは鬼のようなスピードで大量に曲が出来上がるんですが、その間、ほかのことが何も出来ない。日常生活も超ぐちゃぐちゃで、あまり寝ないし、トイレまでノートパソコンを持ち込んで作業し続けちゃう。自分では、かなり最近まで過集中の時間を“音楽が降りてくる瞬間”だと捉えていたんですが、どうも勘違いだったみたいで。反対に、何も出来ないときは本当に全く何も作れなくて。
――4s4kiさんがADHDだと診断されたのは?
4s4ki 本当につい最近、今年(2024年)の3月でした。最近はADHDという言葉も度々耳にするようになりましたけど、3月の診断の前までは、別の病院で複数の精神性疾患と診断されていたし、自分でもそう思い込んでいました。でも、実はADHDが全ての元凶で、ほかはそれに付随して併発した精神疾患だったことが分かって……。
撮影 深野未季/文藝春秋

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