作詞・作曲のほか編曲やトラックメイクも一人でこなし、舞台音楽でもその才能を発揮するなど今最も注目を集めるミュージシャンの4s4ki(アサキ)。海外でも活躍を続ける彼女が、ADHDと診断されてから早々に公式SNSで発表したのには理由があった。(全4回の4回目/♯1、♯2、♯3を読む)
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発達障害を公SNSで公表、ADHDの曲づくりも
――4s4kiさんはADHDと診断されてから早々に公式SNSで疾患を告白されました。それはどのような気持ちからだったのでしょうか?
4s4ki そのほうが自分としても楽だと思ったのと、SNS上で“発達障害あるある”みたいなのをネタみたいに書いたりする人もいるし、自分の印象としてはADHDという言葉自体がSNS上や世間でひと頃よりもかなり広まっていると感じられたのも大きかったですね。
公表はもちろん勇気も要りましたけど、公表したあとのことを想像してみたら、特にしんどそうなイメージが無かったんです。それに、そんなADHDの自分でも、こうやって生きて、得意なことを見つけられて、ADHDの特性を何とか活かせるような仕事も存在していたわけなので。
SNSの良いところって、自分みたいな人って決して自分だけじゃないと知ることが出来る点だと思っていて。あまり見過ぎると危険装置になっちゃうけど、安全装置になる場合もあると思うんです。
――今年(2024年)10月と12月にリリースされたデジタルEP『集合体大好病 / Collective Obsession』と『慈愛equal自愛』は全曲セルフプロデュース。それぞれ、ADHDについて描かれた曲が収録されていました。
4s4ki 私はいつも日記のように曲を作っているんですが、ADHDの曲を自然と書きたくなったんです。それが10月にリリースされたEPのなかの「頑張り屋さんだから愛して」という曲でした。ADHDに“アドヘド”とあだ名をつけてみたり。そうなると少し親しみも湧くかな、とか。この曲で、ADHDなりに頑張って工夫している自分をようやく認めてあげられるようになったんです。また12月にリリースした『慈愛equal自愛』というEPに収録した「極悪人」という曲では、今年3月に入院した時に体験したことを、嘘偽りなく描きました。世渡り上手が正義ならば、うまく生きられない自分は極悪人なのかなと。でもありのままに生きていきたい。極悪人でありたいなと思ったんです。