誰かと一緒に曲を作ることが好き
――現在のADHDとクリエイティヴの相互関係はどんな状況ですか?
4s4ki 集中力のむらみたいなものは相変わらずあって。それが良くも悪くも何らか影響しているとは感じています。私は特に好きなミュージシャンという存在がいなくて、アニメ「コードギアス」シリーズが大好きで、光栄なことにインスパイアド・アルバムも作らせてもらったんですが、自分のルーツを意図してアウトプットするような感覚も全く無くて。楽曲も弾き語りがあれば完全に電子音楽というパターンもあるし、BPM(曲の速度)もさまざまで、いろんな振り幅の曲を作っていますし。
ただ、誰かと一緒に曲を作ることは、案外すごく好きなんです。私は幼い頃から、自分が見える赤色と誰かの目に映る赤色は、必ず同じしも赤色じゃないと思っていて。もしかしたら、私から見て青色でも、誰かにとっては赤色なんじゃないかな? と思うときもあって。
自分のセンスは信じているけど、ほかの人の目に何がどう映っているのか、とても興味があるんです。トラックメーカーと一緒に曲作るときも、本当に大枠のリクエストしか伝えないし、アー写(アーティスト写真)のクリエイティヴも、「マジカル阿修羅でお願いします」とか「マイティ・ソーでお願いします」といったイメージだけを伝えて、誰かのその人なりの解釈を知ることがとても楽しくて。
タイアップなんかでお題がはっきりしているものは全然作れるんですが、私はマーケティング的に「この層を狙おう」といった考え方では曲が書けないし、4s4kiとしての本質的な楽曲作りはそこにはない。だからとにかくマーケティングの諸々は全てスタッフさんを信じてお任せしています。