ADHDに境界性人格障害と摂食障害が併発
――それって、意識を取り戻したときは?
4s4ki もうパニックですよ。救急車で目が覚めたんですけど、何も訳が分からなくて。そのときの事がきっかけになって、まずはちょっと体を休めるために入院をしようということになって。その入院生活でいろいろな検査やテストをしていくうちに、ADHDだということが分かったんです。
――つまり、それまではADHDだと分からない状態で精神疾患を抱えていらしたわけですね。
4s4ki そうですね。精神科に通っていたとき、統合失調症のほかにも、いろんな種類の疾患を指摘されて、「そんなにあるの?」と思っちゃって。お薬の種類もすごく多かったんですが、それが逆効果になっちゃって、もう薬に頼らないと一生生きていけないのかと鬱になってしまったり、薬がすぐに効かないと、衝動的に過剰接種をしてしまったりとか。
――衝動的な行動と薬が繋がると過剰摂取の危険があるんですね。
4s4ki いま、私はADHDのほかに、境界性人格障害と摂食障害という精神疾患を診断されているんですが、どちらもADHDと併発することが多い病気らしいんです。いま思うと、「あれはそういうことだったのか」という節もいっぱいあって。
もしADHDじゃなかったら…
――ADHDはご自身のクリエイティヴにどう影響してきましたか?
4s4ki 何度も出してしまっていますが、ひとつには過集中。全く出来ないときとの差が激しいんですが、過集中が良い方向に作用すると、作業が進むときは鬼のようなスピードだし、とにかく大量に曲が出来上がります。反対に、全くレコーディングができない日もあれば、どんなに頑張ってもどれが自分の正解なのか分からなくなっちゃう時もあるんですけど。
以前は、レコーディングのときに大泣きして何も喋れない、みたいなときもあったんです。一方で、トライする意欲はあっても、正解が分からなくなっててパニックしたりフリーズしちゃうときもあって……でも一方で、もしADHDじゃなかったら、私はいまのように曲を作って、人前で歌ったりしていなかったかもしれなくて。
――4s4kiさんは3歳でエレクトーンに触れて、10歳になる以前から作曲を始めていらしたそうですが、何がきっかけだったのでしょうか?
4s4ki 特にそう意識して始めたわけじゃなくて、友だちから、「エレクトーン習ってるんでしょ? なんか弾いてよ?」みたく言われて適当に曲を作って弾いたり、友だちの家のピアノを弾いているうちに楽しくなって、という延長からだったと思います。最初に本格的に作った曲が何だったのかも覚えていなくて。すぐ忘れちゃうんですよ。楽譜も読めないので、いまだに私のピアノの弾き語りは、毎回感覚で弾いているから、自分のレパートリーですら伴奏が違って。