診断はショックでも「疾患との付き合い方に気づける」ことが大事
――つまり、生き易さ/生き辛さで言うと、かなり生き易くなった?
4s4ki まさにそうですね。ADHDをはじめ、大人の発達障害というのはそもそも見つけることが大変らしいんです。長い間、「自分は結局こういう性格なんだ」とか、「出来ない自分が悪いんだ」と思い込んでしまっているせいで、逆に鬱病になってしまったりもするし。私のように違うきっかけで病院に行って、初めてちゃんと疾患が見つかる人も少なくないそうなんです。
私も大人になってから診断されたので、もっと早くADHDだと分かっていれば、いろいろな精神疾患や失敗も未然に防げたのかな? と思うこともありますが、私自身も周りの人も、そんなのすぐに気付ける術もなかったし、仕方が無かったと思うんです。逆に言えば、大人になってからでも気づけて、いまは本当によかったと思っています。
疾患を診断されることって、やっぱりショックではあるんですけど、診断される恐怖よりも、気付けた時の解放された感覚や疾患との付き合い方に気付けるほうがはるかに有意義だし、人生が圧倒的に楽しくなる気がします。いろんなことが良い方向に変わる気がするし、やれることもすごく増えるし。事務所やレーベルや周囲の人にはすごく迷惑をかけてしまいましたけど、もし、いまだに診断されていなかったらと思うと、恐怖しかないです。
――入院による休止を経た活動再開後、今年(2024年) 10月と12月にリリースされたEPには、それぞれ、ADHDについて描かれたリリックの曲が入っていました。
4s4ki そうですね。いまは自分の音楽と姿を通して、ある証明したい思いが強くあって……。
撮影 深野未季/文藝春秋
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