「以前、『壮快』の取材を受けた時、読者からのお悩み相談で、いい年して勃ちすぎて困っている人たちがいるという話を聞いたんです。熟年で勃つことをはしたないと思っている人たちも多い。だったらそんなシニア層に向けて“壮快Z”、絶倫のZをつけた雑誌を作ってみたらどうかと(笑)」
こう語るみうらじゅんさんが名付け親となったムック『壮快Z』シリーズは、4巻で18万7000部を突破。健康雑誌の老舗マキノ出版が熟年層の性に本気で取り組み、大反響を呼んだ。
「最初、若者のセックスのAVを付録につけようとしてたから、そんなのはつまらない、絶対に熟女と熟男が出てくるDVDにしたほうがいいと力説した(笑)。熟男ならシニアでも勃つことにコンプレックスを感じずに観れるんですよ。AVには義父モノというジャンルがあって、ムラムラきた年寄りが嫁を感じさせて立場が逆転する――マカロニウェスタンのような爽快感もあるんです。俺は研究熱心だからそういう細分化されたアダルトのツボがわかるんだけど、そこを狙った雑誌はありそうでなかった。
よく週刊誌のエロ特集で“死ぬまでセックス”なんて煽られてるけど、もう年をとったらカウパーで十分、セックスも疲れたら途中でやめていいんですよ。『壮快Z』は、恥じらう女房を相手にこんなことをしてもいいんだと気づく“ラブノーマル”な雑誌。健康にかこつけてエロをのぞく後ろめたさを存分に味わって(笑)」
2014年5月創刊。シリーズ累計18万7000部