これが事実なら、女性を伴うような芸能人に対する“接待飲み会”が幾度も行われていたことになる。さらに、第三弾の記事ではフジテレビの女性アナウンサーが「私も献上された」と告白していました。いずれも、非常に大きな問題提起だと思います。
30年、40年前であれば、行き過ぎた飲み会があったかもしれない。でも、時代が移り変わっているにもかかわらず、同じような飲み会をしていたらマズいのではないか。世間も許さないだろうし、スポンサー企業も許さない。文春の問題提起を重く受け止めたからこそ、各局揃って社内調査に動いたのでしょう。
松本さんの問題を巡る報道でも同様です。松本さんは「暴行や脅迫を示す客観証拠はなかった」と主張しましたが、飲み会での振る舞いや対応については否定しませんでした。けれど、あたかも女性の意思に反するような飲み会の文化自体が問題視されるような時代になっていた。そのことを、松本さんは見落としていたのではないでしょうか。
文春を含め、各メディアには是非、大物芸能人に対する性接待にも繋がりかねないテレビ局の飲み会文化について、しっかり斬り込んで欲しいと思います。
ただ、そこで一つハードルとなるのが、フジがプライバシーを盾にして、トラブルに関するあらゆる説明を拒んでいるように見えること。事情は理解できなくもないですが、報道機関としてこの姿勢には疑問を抱かざるを得ません。
ギリギリを攻めて報じるべき
これまでメディアは、公共性・公益性が伴う問題については、当事者のプライバシーをある意味では犠牲にして報じてきました。ところが、フジは自社が関与した今回の問題について真逆の態度を取っている。これでは今後、フジの記者は取材相手にも「説明を拒む社にお話ししませんよ」と言われてしまうでしょう。