そのおばあちゃんの介護で、あるとき、夜間のおむつ交換をしに行ったんです。そうっとドアを開けて部屋に入って、そうっと布団をめくって、寝ている間におむつを交換するという巡回です。いつも通りにやろうとしたら、何故か目がバチッと開いて、次の瞬間、「バケモノだ!」って叫ばれてしまったんです。
その瞬間、私、ちょっと笑ってしまったんですよね。
客観的になれば、「バケモノだ」って暴言じゃないですか。でも私は、暴言とはとらえなかったんです。思わず笑ってしまったのは、確かにそうだよなっていう共感の笑いでした。夜中に眼が覚めて目の前にこんなでっかいのがいたらそう言うよな、きっと自分も同じようなことを言うだろうなってなんか納得してしまいまして。
そこで、「いやどうも、バケモノですけれども~」みたいに話にのっかって、「おむつ交換の練習をしに山から下りてきたんですけど、よろしいですか」「私の腕前を見てもらえますかね」というような感じで話しかけたらなんだか落ち着かれて、おむつを交換をさせてもらうことができました。きちんと仕事ができて、気持ちよく寝てもらえたということが、自分にとっての達成感になりますね。
そして、こういうやりとりも面白いし、楽しいと思っている自分がいます。
信頼できる介護のプロを頼り、コミュニケーションをとって
一旦施設に預けると決めても、どんなところだろうか、どんな人が看てくれるんだろうか、親は安心して過ごせるだろうかなど、心配は尽きないと思います。
数多くの施設からひとつを選ぶには、さまざまな条件があると思います。私自身は高齢者施設を選んだ経験がないのですが、ひとつだけ周りに聞いた意見をご紹介しておきます。
施設の場所や施設内のようす、スタッフの皆さんの雰囲気など、いろいろチェックするポイントはあると思いますが、まずは尿や便などのアンモニア臭が残っていないかということを意識するようです。もし、アンモニア臭がするのであれば、基本的な掃除が行き届いていないくらい人手が足りていないのだなと判断できるということは聞いたことがあります。
私が思うのは、相対してみて、気持ちよく話せるとか、親身になって聞いてくれそうと思えるスタッフに出会えるといいなということです。
介護職としては、利用者さんのご家族から性格や趣味、これまでの生活ぶり、仕事歴などを伺うことで、自分たちの経験をふまえつつ、その人に合わせたお世話がしやすくなります。ご家族のかたにとってコミュニケーションを取りやすい人がいいですね。
もちろん、入居されるご本人が親しみやすそうだと思える人であることも大切だと思います。
