たとえば、行ったことのない場所や初めての習い事などに行きたがらない子に、親はつい、「大丈夫だから行ってみようよ!」などと励まして連れて行きがちです。でも、原始反射が残っている子どもは、「失敗するかもしれない」「できないかもしれない」「何があるかわからない」とすべてが不安なのです。どんなに言葉で伝えられても、いい方向に想像することは難しい。要は、見通しが立たないことに対する不安感が強いのです。
励ましたり元気づけたりして動かそうとするより、先の見通しをできるだけわかりやすく説明してあげると、子どもは安心します。
子供を励ますつもりで、だますのはダメ
教室で運動をするときも同じです。いままでやったことがないものにトライするのは、誰だって怖いものです。たとえばマット運動なら、どういう工程があるか、細かく細かく分けてスモールステップで行います。
行ったことのないお店に絶対に行かない子どもがいました。その際も、お母さんはどんな場所にあって、家からどのくらいの距離で、交通手段や、どんなものが売られていてどのくらい混んでいるかを細かく伝えるようにしていたそうです。
学校に入学するときや、急に予定が変わってしまったときも同様に、子どもが不安にならないように、どんな場所でどういう人がいて、どんな状況なのか、見通しが立つように教えてあげてください。それでも嫌がる子どももいますが、親御さんが伝えたことと実際に行った場所の説明が噛み合っていれば、少なくとも、説明してくれる人(ここでは親)との信頼関係は築けるので、次の安心材料になります。
よく、子どもをだますような形で「大丈夫。あそこにはゲームがあって楽しいよ」などと親が励まして子どもを行かせがちですが、行ってみたら「思っていたところと違っていた!」では、子どもはもう、その場所にも行きたがらないし、親を信頼できなくなってしまいます。家庭では、親子でたくさんコミュニケーションやスキンシップをして、子どもを安心させてあげることが大切です。