「いやだ」「やらない」は“あまのじゃく”ではない
子どもは心から安心できると、外に出て行きます。よく、母子分離ができなくて登園・登校が困難な子がいますが、あえて母子分離中のトレーニングだと言って距離をとるのは逆効果で、いかに家庭で安心させてあげられるか、なのです。
LUMOでも、最初はお母さん、お父さんと離れて教室に来るのに不安が強かった子どもが、指導員との信頼関係を築き、安心できる環境の中で楽しく過ごしているうちに、帰りにはニコニコと笑顔になっています(笑)。週1回からのスタートでも、だいたい1カ月あれば、母子分離はできます。
恐怖を感じると体が緊張してぐっと力が入ったり、丸めたりすることがあるため、体が硬くなっている子もいます。お母さん、お父さんと一緒に安心できる環境の中で体を思いきり広げられるトレーニングをするといいでしょう。反抗的だったり、あまのじゃくだったりする子どもも、モロー反射が残っているケースがよくあります。
「いやだ、嫌い、やらない」が口癖のEくんという5歳の男の子がいました。教室でもそうやって何も挑戦しようとしません。それをお母さんはあまのじゃくだと思っていました。そこで指導員は、「Eくん、もったいないなあ。やってみないとわからないのに。うまくいくチャンスだよ」と。指導員が言葉かけでEくんを安心させようとしていることを知ったお母さんは、ハッとしました。家庭では、否定的な言葉をよく使っていたかもしれない……。そこから、お父さんとも話し、家族が団結して言葉かけを変えました。
子供の感情を言語化する努力が必要
たとえば、「走らない!」ではなく「歩いて」に。「ダメ!」ではなくて「どうしてそういうふうにやろうと思ったの?」と気持ちを聞くように。するとEくんのあまのじゃくは消え、何にでも意欲的にするようになりました。年中さんのときは怖がって小さくなっていた学芸会にも、年長さんでは自分から積極的に参加するようになりました。