防災の面からも考えてみる

 その後、家中の家電を試してみる。我が家の主な電化製品の消費電力例を整理すると、

 ●液晶テレビ32型:64W

 ●ノートパソコン:50W

 ●冷蔵庫:320W

 ●電気ポット:700W

 ●炊飯器:900W

 ●オーブントースター:1270W

 ●電子レンジ:1400W

 電気ポットと炊飯器はギリギリ使えたが、電子レンジとオーブントースターは厳しかった。やはり加熱する調理家電の消費電力は非常に大きい。テレビやノートパソコン程度なら、夜間でもバッテリー切れの時間を気にせず使えるし、スマホやタブレットの充電、LEDライトなどは当たり前のように可能なので「電力会社の電気」と「DIYソーラーの電気」は、消費電力によって使い分けるのが正しいようだ。

 その上で節電ではなく防災を考えるなら、消費電力が低めの「非常用の調理家電」を用意しておくのも一つの手だろう。やはりバックアップの電力があるというのは心強い。

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どれくらい電気代が節約できたのか?

 今回の挑戦でわかったのが、ソーラー発電システムDIYで作り出せる電力は、

【1】電気を生み出すソーラーパネルの性能と枚数

【2】それを貯めておくバッテリーの容量

 この2つの要素で決まるということ。単純に高性能なソーラーパネルが大量にあれば、それだけ多くの電気を生み出せる。そしてバッテリーの容量が大きければ大きいほど、たくさんの電気を溜め込んでおけるのだ。

 今回の挑戦で使ったソーラーパネルとバッテリーをこの図式に当てはめると、

【1】270Wタイプのソーラーパネルが3枚=810W

【2】12V100Ahのバッテリー

 となる。3枚で810Wぶんのエネルギーを生みだすパネルを使って、12Vの力で電気を押し出す容量100Ahのバッテリーを使っているわけだ。

 実際に1年を通しての実験はできないが、ソーラー発電でよく使われる数式で計算してみよう。平均的な太陽の降り注ぐ量と、気温などで失う出力の損失を掛け合わせるとこんな感じ。

パネルの出力(kW)×日射量(kWh/㎡)×損失係数(0.8)×365=年間発電量(kWh)

 この数式を埼玉県の我が家に当てはめると、

0.81kW×埼玉の日射量3.7×損失係数0.8×365日=約875kWh

 となる。今現在、1kWhあたりの電気代は31円ほどなので、ソーラー発電で作り出した電気を全て無駄なく使用できれば、1年で約2万7000円の電気代が節約できる計算だ。今回の挑戦にかかった材料費は約6万5000円なので、2年半使えば元は取れる。

 そううまくはいかないだろうが、でもこれだけ楽しくて充実感のあるDIYに挑戦できて、おまけに電気代の節約にもなると考えれば悪くはない話。皆さんもこれを機に、ひとつ電気の自給に向けて挑戦してみてはいかがだろうか?