「もし、ご自分でDIYされるときには…」忘れてはいけない注意事項

 ソーラーパネルといっても千差万別。電卓やおもちゃに装備されているものを見慣れていて軽く考えがちだが、実際のところソーラー発電でかなり強力な電力を作り出すことができる。

 そのため、使用するケーブルやコネクター、コントローラーの許容量を無視したり、接続方法を間違えたりすると発火の危険もある。作製後も丁寧にメンテナンスをしたいところだ。

 無茶なDIYはケガやトラブルを招きかねないし、他人に迷惑をかけては元も子もない。もしやる場合は注意して、ソーラー発電システムDIYに挑戦してみてほしい。

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 注意点はいくつかあるが、肝心なことをひとつあげるなら配線工事は特に気をつけたい。各パネルに取り付けられたプラスとマイナスのケーブルを屋根の下に持ってくる際、それぞれ専用コネクターを使って1本にまとめていくが、注意が必要なのが「直列」につなげないことだ。

「ん? 聞いたことあるような言葉だが、なんだっけ?」と思った人も多いだろう。子どもの頃、学校の実験でやったあれだ。

 乾電池の頭とお尻をくっつけて、まっすぐ一列に並べたのが直列つなぎ。電池の数だけ電圧(V)が合わさって豆電球がドンドン明るくなったのを覚えている。

 対して並列つなぎは、電池を横に並べて電線で「頭同士」と「お尻同士」それぞれをつなぐ。そうすると電圧は同じままなので豆電球の明るさは変わらない。じゃあ何が変わるのかと言えば、電池の容量(Ah)が合わさるので電池の数だけ長く使えるのだ。

 ソーラーパネルは別名「太陽電池」と呼ばれるだけに、考え方は乾電池と変わらない。パネルの配線を直列につなげば、その電圧はドンドン上がっていくのだ。

 しかし、ここで問題となるのが法律の話。電気工事士の資格なしでソーラー発電システムを組む場合、電圧は30V未満にする必要がある。

 ソーラーパネルの電圧はメーカーや機種によって違うので、購入時に30V未満のタイプを選ぶのは当然なのだが、たとえば20Vのパネルであっても、これを直列で2枚つなげると40Vになってしまい、無資格の危険な工事になってしまう。

 そこでDIYでソーラー発電システムを組む場合は並列でつなげるのが基本となる。電池の「直列つなぎ」と「並列つなぎ」を学ぶのは小学4年生の理科だというし、仕組み自体は複雑ではないが、ここは非常に重要なのでチャレンジを考えている人は十分注意してほしい。

 また、粗悪なケーブルや怪しいメーカーのコントローラーを使用したために発火したなどの報告もネットには上がっている。ソーラー発電関連の材料はネット通販に頼るケースが多いが、なるべくしっかりとした店で購入し、あまりに安すぎる商品には注意しよう。またケーブル類の接続不良も火災の原因になる。気をつけてソーラー発電DIYを楽しんでほしい。

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