松本は飯島に対し《年は私より下なのに、相談を持ちかければ、いつもまるでお姉さんのように、おっかさんのように答えてくれる直ちゃん。あなたの強さには何度も励まされました。(中略)甘えんぼうの私は、これからも何かあったら、すぐに直ちゃんのところに相談をしに、その大きな胸に飛び込みたいと思っています》とのメッセージを寄せるほど信頼を置いている(飯島直子『飯島直子の「ねえ、今日どこ行くの?」』学習研究社、1997年)。

松本明子 ©文藝春秋

「アネゴ系」の素顔

 飯島を慕うのは松本ばかりではないらしい。本人にもその自覚はあるようだ。CMをきっかけに世間では「癒し系」のイメージが定着したが、実際の自分はサバサバした性格で、また母性の塊のごとく尽くすタイプなので、むしろ「アネゴ系」というのが近いかもしれないと語っている(飯島直子『今のための今まで』世界文化社、2024年)。

『DAISUKI!』と並行して飯島が出演したドラマの一つに『真昼の月』(遊川和彦脚本、1996年)がある。その内容は、織田裕二と常盤貴子演じる若い男女が付き合い始めた直後、女性のほうがレイプに遭い、心に深い傷を負うという、かなりシリアスなものであった。飯島はそんな2人を支える看護師を演じた。

ADVERTISEMENT

 その放送中、テレビ雑誌でエッセイを連載していた彼女のもとには女性たちからたくさんの手紙が寄せられたという。そのなかには実際に性被害に遭った経験を持つ女性からの相談もあり、真摯に答えていた(前掲『飯島直子の「ねえ、今日どこ行くの?」』)。

©文藝春秋

4時間かけてインスタグラムにコメント

 こうした彼女の姿勢は、一昨年の2023年に始めたインスタグラムでも変わらない。そこに寄せられるコメントは応援メッセージばかりでなく、家族の問題や人間関係、健康や老いなどの相談事も多いが、彼女は毎日コメント欄に目を通し、返信コメントをノートに下書きした上で投稿しているという。この一連の作業に4時間ほどかかるが、相談には誠実に答えたいので、ときには返信するまで色々調べたり、何日も悩んだりすることもあるとか。